研究課題/領域番号 |
20K12495
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
友野 大 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教(常勤) (40415245)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ミューオン / ミューオニックヘリウム |
研究実績の概要 |
ミューオンニュートリノ質量の直接測定では入射粒子と崩壊生成物の運動量を精密測定することによって、運動学的に計算することで質量が求められる。高精度での測定するためには、 二体崩壊など運動学的に簡単なプロセスでであること、崩壊前後の粒子の運動量が決定できること、 粒子の質量が精度よく決まっていることがポイントとなる。ミューオンニュートリノの直接測定に関しては、90年代にパイ粒子を用いたπ^+→μ^++ν_μの崩壊プロセスを用いた測定が最も高精度で測定されている。われわれはパイ粒子崩壊とは全く独立した原子核標的へのミューオン捕獲反応を用いた測定手法を開発を最終目標として、その元となるミューオニックヘリウムビーム開発として運動量可変な3Heμ+ビームを生成ことを目的とする。 ところでビーム自体は様々な応用が考えられるが、特にこの原子からヘリウムイオンを解離することで 低速のミューオンを生成することが可能であり、この点も考慮して開発を行う。ビーム生成には薄い重水素(d2)標的を用いることを提案している。d2標的中ミューオン を止めるとミューオンは(dμd)分子を生成し核融合反応によって3Heを生成するが、数%程度ははミューオンを伴ったまま(dμd)→3Heμ- + n の反応によって 3He+μ- を生成する。これを標的から引き出す。その手法は自明でないのでで手法の最適化や実際のビームの強度、分布、効率など検討を阪大核物理研究センターのミューオンビームを用いて系統的に研究を進める予定である。本研究では、初めの段階では4Heを用いてビームとして取り出すことを目標としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コンピューターシミュレーションによる装置の検討を行なっているが、色々課題が多く検討を繰り返している段階である。現在、加速器の停止に伴って供給されていないミューオンビームが再開したときには実機でのテストを含めて実施できるよう準備を進める予定である。それに利用する検出器やデータ収集用のモジュールなどを先行して整備して、装置自体の製作は来年度に行う予定でそのために予算を繰り越す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度は引き続き装置の設計と製作を行う。昨年度購入を行なったデータ収集系と検出器の一部に関してテストを行う。また装置全体の設計を急ぎ、線源等によるテストを行う予定である。予定していたミューオンビームに関しては、整備の遅れにより利用できるか不明なため、ビームのない状態でのテストないし他施設でのビーム照射も含めて検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は装置の設計に関してシミュレーションによる検討を行い、当初よりも大幅に変更することが必要となったため、装置の製作を次年度に回すこととした。そのため、物品購入に遅延が生じている。次年度に実機の製作を行う予定である。また、旅費に関しては発表を予定していた国際会議が延期になっているため、次年度での使用を予定している。
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