研究課題/領域番号 |
20K12517
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
池田 岳史 福井工業大学, 環境情報学部, 教授 (00340026)
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研究分担者 |
川合 康央 文教大学, 情報学部, 教授 (80348200)
益岡 了 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (20319081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サウンドスケープ / かいわい / シークエンス |
研究実績の概要 |
本研究では,“かいわい”におけるサウンドスケープとサウンドシークエンスの可視化による印象評価手法の開発という目的を達成するため,これまでの関連研究成果を基に,Phase0(サウンドスケープを考慮した“かいわい”の基礎調査)を2019年度に行い,その成果を基に,2020年度にPhase1(調査対象地区における採音調査),Phase2(サウンドデータの可視化と分析)を行うこととしていた。また,研究を遂行するにあたって,音響カメラSound Graphy SG-02を新規に導入し,採音,可視化することとしていた。 しかしながら2020年度に入り,COVID-19の全国的な蔓延と,政府による緊急事態宣言,まん延防止等重点措置等の発令,それらに伴う移動制限により,本研究の遂行において大きな影響を受けた。具体的には,予定していた機材の入手,Phase1(調査対象地区における採音調査)は全くできていない。 一方で,2019年度までに行ってきたPhase0(サウンドスケープを考慮した“かいわい”の基礎調査)に関するデータ分析や,考察,成果発表は,ほぼ予定通り行うことができており,日本デザイン学会第67回春季研究発表大会において発表した「かいわいとサウンドスケープに関する基礎研究 その4 神社参道のサウンドシークエンス」では,太宰府天満宮,伊勢神宮内宮,白山比咩神社,出雲大社の考察結果を述べており,特に白山比咩神社や出雲大社の参道空間は,標高差が大きく,参道中の場所により,聴こえる音の範囲も異なることを明らかにしている。また,同学会のデザイン学研究特集号2020年度28巻2号「人口減少時代の環境デザインを考える 令和のデザインサーヴェイ」において,「かいわいのサウンドスケープとサウンドシークエンス 新たな観光資源としてのサウンドスケープを求めて」として成果を発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究業績でも述べた通り,本研究では,これまでの関連研究成果を基に,Phase0(サウンドスケープを考慮した“かいわい”の基礎調査)を2019年度に行い,その成果を基に,2020年度にPhase1(調査対象地区における採音調査),Phase2(サウンドデータの可視化と分析)を行うこととしていた。また,研究を遂行するにあたって必要となる主要な機材として,音響カメラSound Graphy SG-02を予定し,この機材の導入により採音,可視化することとしていた。しかしながら2020年度に入り,COVID-19の全国的な蔓延と,政府による緊急事態宣言,まん延防止等重点措置等の発令,それらに伴う移動制限により,本研究の遂行において大きな影響を受けた。 具体的な影響として,予定していた音響カメラSound Graphy SG-02のテスト導入が不可能であったため導入に至っていない。また,引き続き行う予定であったPhase1(調査対象地区における採音調査)に向けた追加の基礎調査は移動制限により実施できていない。これらにより,音響カメラを用いた調査対象地区における採音調査が実施できていない。 一方で,基礎調査データを基にした分析,考察と成果発表については順調に進んでおり,日本デザイン学会春季研究発表大会においての学術研究発表,同学会の発行するデザイン学研究特集号においての原稿掲載の他,関連する成果を基にした研究成果発表を多数行うことができた。 これらにより,基礎調査のデータを基にした分析,考察や成果発表は順調に行っているものの,機材の調達や現地調査等については,COVID-19の蔓延により大きな影響を受け,大幅な遅れを生じているため,進捗状況は「遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度はCOVID-19の蔓延により大きな影響を受け,大幅な遅れを生じているため,2021年度については2020年度分を含む研究計画とする。具体的には,2019年度に行ったPhase0(サウンドスケープを考慮した“かいわい”の基礎調査)を基にしたデータ分析を更に進めるとともに,Phase1(調査対象地区における採音調査),Phase2(サウンドデータの可視化と分析)を進めるが,2021年度についてもCOVID-19の蔓延による移動規制が布かれることが確実なため,調査対象地区の再選定も同時に進める。また,2020年度に購入する予定であった音響カメラSound Graphy SG-02についても,テスト導入も含めて早期の購入を行うことで,調査におけるデータ収集に活かすこととする。 研究成果の発表については,昨年度の調査データが不足しているため,新規の発表に代え,調査データを組み合わせた考察結果等を発表することとする他,これまでの研究成果を援用した研究についても,積極的に取り組み,発表を行うこととする。 なお,研究全般の進捗については,COVID-19の蔓延による影響を考慮し,可能な限り進捗できるよう随時,柔軟に対応するが,遅延は不可避な状況にあり,今後も研究終了までの計画に大幅な修正を行うことがある。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度については,COVID-19の蔓延により,予定していた音響カメラSound Graphy SG-02のテスト導入が不可能であったため導入に至っていない。また,引き続き行う予定であったPhase1(調査対象地区における採音調査)に向けた追加の基礎調査は移動制限により実施できていない。これらにより,音響カメラを用いた調査対象地区における採音調査が実施できていない。以上により,一部前年度までの調査データを用いた発表に係わる経費を除き,予算を執行できていない。 2021年度は,2020年度に購入する予定であった音響カメラSound Graphy SG-02についても,テスト導入も含めて早期の購入を行う。また,調査におけるデータ収集に活かすこととする。またCOVID-19の蔓延による影響を考慮しつつ,現地調査を実施することとし,これらに関連する予算を,2020年度分も含め執行する。
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