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2022 年度 実施状況報告書

流体計算によらないインタラクティブな流れ模様の生成技法

研究課題

研究課題/領域番号 20K12534
研究機関九州大学

研究代表者

鶴野 玲治  九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (10197775)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードコンピュータグラフィックス / 流体
研究実績の概要

自然界に存在する流体の動きや造形をコンピュータグラフィックスで描きだすにはナビエストークス方程式を解析的に求める物理ベースシミュレーションによる方法が一般的である。しかしこれはユーザーの感性に基づいたコントロールやエディットが困難という問題がある。本研究は必ずしも物理法則に忠実でなくもビジュアルシミュレーションレベルの精度でかつ自然で美しい印象を与える流れ模様を生成しインタラクティブにコントロールを可能にする適切な変数、関数、方程式、解法を探るものである。
2020年度より進めてきた本研究は、当初、流体の「幾何学的特徴」をもとにナビエストークス方程式を幾何学的に解く方法で、計算効率向上と幾何学構造の再現と表現力の向上をさぐってきた。2021年度後半から2022年度にかけて応用として人間の毛髪の流れ模様に発展させた。流れの特徴を認めやすい長髪を対象とし、入力情報は2次元画像をもとにしたイメージベースとしている。インタラクティブなユーザーコントロールを想定し、自然な流れだけでなく、三編み構造をもった髪束モデルを実現した。純粋に髪の毛の特性をもとに流れの形を得ることに成功した。2022年度後半から水や風のような自然の流体に回帰し、解析的な方法から機械学習の考え方を取り入れるに至っている。研究の対象を当初の計算平面に戻し2次元閉領域での複雑な乱流を機械学習し、詳細度可変なさまざまな墨流しバターンの生成を行っており、新たな結果が出始めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年に国内ジャーナル採録を果たした。2022年度は別素材への応用と機械学習の両方に展開した。別素材(人間の髪の毛)は一定の結果が得られ、国際会議でのポスター発表が実現した。一方で生成方法の基礎技法を進めており、機械学習による詳細度制御も含めた流体模様の生成が現実的になってきている。
このように、これまで進めてきた複数の手法のうちcycleGANを使った渦場流れストローク生成方法によって良い結果が得られ始めたところである。しかし世界的な半導体不足によって高速なコンピュータや入出力機器の供給が遅れ、実験システムの構築が間に合っていない。また、当該分野で著名な国際会議での発表を目指しているが、投稿締切が2023年度前半に設定されており、論文生成や国際会議発表のための準備、経費執行も年度を超えることになった。

今後の研究の推進方策

現在までの進捗状況に記入した通り、これまで進めてきた複数の手法のうちcycleGANを使った渦場流れストローク生成方法によって良い結果が得られ始めたところである。これによって閉平面領域内での可変詳細度の墨絵状の流れ表現が可能になってきている。
世界的な半導体不足によって遅れていたコンピュータや入出力機器の購入も少しずつ整いつつあり、実験システムも構築が進み始めた。一年間の研究期間の延長が認められ、2023年度も継続して進めるこができるため、引き続き当該分野で著名な国際会議への論文発表を目指し、準備を進めているところである。

次年度使用額が生じた理由

2020年度からCOVID19感染拡大が続き、国際、国内両方の学会やコンファレンスなどがオンライン化され、出張の機会が減り旅費や参加費等の支出が少なかったため支出計画が大きく変更になった。2022年度は感染拡大も徐々に収束に向かい通常に戻ってきたが、当初予定よりも計画進行は遅れており、大学内での実験開発環境を整えなおす必要が生じた。
研究自体はこれまで進めてきた複数の手法のうちcycleGANを使った渦場流れストローク生成方法によって良い結果が得られ始めたところである。また、当該分野で著名な国際会議発表の準備を進めているが、これらにかかる経費支出も年度を超える見通しとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Automatic Generation of a 3D Braid Hair Model from a Single Image2022

    • 著者名/発表者名
      Taisei Omine, Yuki Morimoto, Reiji Tsuruno
    • 学会等名
      SIGGRAPH2022
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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