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2021 年度 実施状況報告書

公平・公正な学術コミュニケーションに向けたプラットフォーム・ガバナンスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K12546
研究機関三重大学

研究代表者

三根 慎二  三重大学, 人文学部, 准教授 (80468529)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード学術コミュニケーション / 学術情報流通 / オープンアクセス / オープンサイエンス / プラットフォーム
研究実績の概要

今年度は,主に昨年度に引き続き①商業出版社の業績調査,②日本の大学図書館の所蔵図書の調査の2点を実施した。
①商業出版社の業績調査に関しては,今年度は代表的な大手国際商業出版社の一つであるJohn Wiley & Son社を対象とした。過去25年分の有価証券報告書(Form10-K)を入手し詳細の確認を行った。その結果,Blackwell社買収後の近年の主な傾向として,財務面では収入は増加傾向にある一方で純損益は一進一退,純損益率も7から12%程度を行き来する傾向にあり,RELX(Elsevier)とは異なる傾向にあった。製品サービス面では,従来の研究出版だけではなく,新たに「研究プラットフォーム」による収入が追加されプラットフォームビジネスへの注力が見られ,同社の単年度連結売上高の半分程度を占めるに至っていた。研究出版・プラットフォーム部門の収益の約95%がデジタルオンラインサービスによるもので(製品サービス全体では82%),RELX(Elsevier)と同様にデジタルシフトへの顕著な傾向が見られることがわかった。
②の日本の大学図書館の所蔵図書の調査に関しては,今年度も日本図書館協会の「日本の図書館統計 統計と名簿 統計編(大学)」を対象に,新たに2020年を追加し計21年間のパネルデータを形成し,紙の図書に関して,蔵書冊数(全体および洋書),受入図書冊数受入計(全体および洋書),受入図書冊数うち受入購入(全体および洋書)ほか計35項目の集計を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度も制限的状況かつ代表者の事情により,研究遂行自体に大きな支障があったため,年度当初に予定していたいくつかの調査に着手および実行することができなかった。①商業出版社の業績調査,②日本の大学図書館の所蔵図書に関しては,昨年度の実績に加えて新しく調査対象を増やし一定の進展が見られたが,その他のものについては関連文献の収集と読みに留まっている。以上のことから,当初予定していたよりも進捗状況は遅れているとした。

今後の研究の推進方策

来年度は最終年度であるが,引き続き着手済の①商業出版社の業績調査,②日本の大学図書館の所蔵図書の調査に加えて,③学術情報流通におけるガバナンス調査を実施する予定である。①に関しては,大手国際商業出版社3社を対象に,これまでの調査結果をまとめる形で論文化を行う。②に関しては,昨年度と同様の枠組みで対象年度を拡大するとともに,図書を対象とした所蔵状況調査を継続し論文化を行う。③に関しては,学術情報流通の領域における政策,ルール,標準等を対象にその形成および派生,模倣の実態・過程を明らかにするための予備的調査を行う予定であり,可能であれば国際・国内での学会発表を行う。

次年度使用額が生じた理由

今年度も引き続き渡航など行動制限があり,出張旅費に充てていた分がオンライン学会参加費に変わり予定より大幅に少額になったこと,予定していた研究計画の遂行が十分にできなかったことが挙げられる。残額分に関しては,成果発表回数や手段を増やすことにより,十分に執行可能と考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] Platform Governance for Open& Fair Scholarly Comm.

    • URL

      https://lis.human.mie-u.ac.jp/post/161536774281/how-platforms-reshape-scholarly-communication

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公開日: 2022-12-28  

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