研究課題/領域番号 |
20K12557
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
阪口 哲男 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (10225790)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | リンクトデータ / クラウドソーシング |
研究実績の概要 |
本研究は、様々な組織等が公開しているリンクトデータ(Linked Data)において、その相互運用性向上に必要な、共通する概念間のリンクをクラウドソーシングによって付与するマイクロタスクの設計と、自動生成方式を見出す。本研究により、リンクトデータの相互運用性向上のためのクラウドソーシングの方式が確立され、リンクトデータの開発・公開やオープンデータ活動に寄与することや、マイクロタスクにリンクトデータを導入することの効果を示すことが期待できる。 交付申請時の計画では2020年度は、datahub 等に登録されているデータセットから対象データセットと相手データセットを人手によって選定し、その中からリンク付けするべき要素の候補の組合せを抽出することと、その候補についてCrowd4Uを用いるマイクロタスク定義を人手で行って試験的にクラウドソーシングまで行い、その結果から検討を進める予定であった。その人手による選定についてはある程度データセットの検索方法等がわかる必要があるので、研究協力者とともに、適宜議論を交えながら進めるつもりであったが、COVID-19感染対策のため入構制限等もあり、計画通りに進められなかった。 一方、クラウドソーシングのプラットホーム整備などのために計上したサーバについては計画よりはやや遅れたものの年度内に導入し、研究代表者によって環境整備を進めている。また筑波大学・白井哲哉教授と協力して進めている福島県双葉町震災アーカイブズにおけるクラウドソーシング・プロジェクトで収集した多言語キーワードの内容分析に参加し、その結果は今後のLOD化に生かせると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
概要にも述べたように、当初計画において人手を用いることとしていた過程についてはほとんど進められず、研究全体の遅れにつながっている。また、COVID-19の影響により、状況に応じた研究の進め方の再検討なども十分に行えなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間内で、現在のCOVID-19の状況が大幅に改善するかどうかは予断を許さない。よって、人手に頼る過程に依存する当初計画を変更し、機械学習等の適用による候補選定の試みなど、人手に寄らない、機械的に行う過程を優先して進めることにする。そして、機械的な方式では不十分な点の分析を進め、人を物理的に集めたりしないでも済むマイクロタスク型クラウドソーシングの適用で補える点について検討し、実験を進めるなどの方式をとる方向で考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画ではデータセット選定等の過程において人手による作業を想定していたために、実施できなかったためにその謝金分と、情報収集等のために参加を検討していた国内会議などがオンライン開催となってしまい、その分が次年度使用となった。すでに今後の推進方策に触れたように人手に頼る部分は縮小せざるを得ないが、その分をクラウドソーシングによる協力者への謝金により多く配分して実験回数を稼ぐなどしてより研究成果を高めること等を検討している。
|