研究課題/領域番号 |
20K12559
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山本 洋 金沢大学, 国際機構, 准教授 (50583168)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 戦国軍記 / 軍書 / 毛利氏 / 計量テキスト分析 / テキストマイニング / 軍記 |
研究実績の概要 |
毛利関係戦国軍記の翻刻作業、および計量テキスト分析を用いて軍記を類型化するための検討、および研究成果の発表を行った。 令和二年度は、新型コロナの感染状況の拡大により、当初予定していた毛利関係戦国軍記の調査および撮影が一切できなかったため、研究開始段階で撮影を終えていた戦国軍記23点の内、12点の翻刻を実施した。 これらのテキストとすでに翻刻済みのテキストをもとに、クラスター分析を用いた戦国軍記の類型化、およびその妥当性についての検証を行った。その結果、登場人物や地名等の固有名詞をクラスター間の距離を決める基準に用いることで、従来の研究で明らかになっている内容と概ね一致する結果が得られることが確認された。これは戦国軍記の性質が何によって規定されるかという本質的な問題を考える上でも示唆に富んだ結果であるといえる。また、軍記全体を翻刻したフルテキストデータでなく、特定の出来事を記した比較的少量のテキストを用いた場合であっても、軍記の系統をかなり正確に分類できることが認められた。これらの結果については、国文学研究資料館共同研究成果発表会において口頭発表を行った。 これから検討すべき課題としては、軍記の一部のテキストを用いて分析した場合とフルテキストデータを用いて分析した場合の差違や、他の品詞を含めた検討、さらにテキスト量の異なる軍記間の分析方法の検討や登場人物の共起ネットワークに基づいて軍記の性質を明らかにするための方法の検討などが挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に計画していた史料館等での史料調査・軍記の撮影が実施ができなかったため。 すでに撮影を終えている戦国軍記の翻刻作業は当初予定していたとおり進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和三年度は、新型コロナの感染拡大状況を見つつ、可能なタイミングで史料調査、および撮影を実施する。史料調査を行えるようになるまでの間は、撮影が終了している残り11点の軍記の翻刻作業を継続し、翻刻を終えたものから順次テキスト分析を開始する。 とりわけ、個々の軍記に頻出する地名・人名等の固有名詞に基づいたクラスター分析の妥当性の検証、語句の関連性の強さ(共起ネットワーク)や特定の語の出現頻度に着目することで、軍記ごとの特徴を把握するための方法の検討を中心に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた史料調査・および撮影が実施できなかったため。
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