| 研究課題/領域番号 |
20K12564
|
|---|
| 研究機関 | 相模女子大学 |
|---|
研究代表者 |
松嶋 志津子 (宮原志津子) 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (70611838)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
| キーワード | 図書館情報専門職 / コンピテンシー / 学位 / 質保証 / 国際通用性 |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，本研究では公共図書館員のコンピテンシーの明確化と，図書館実習を通したコンピテンシーの獲得を目指すための，図書館実習ガイドラインとモデルを作成することである。
初年度である2020年度は，新型コロナウィルスの影響による施設の閉鎖や，図書館職員や大学教員の負担を考慮し，研究計画で予定していたインタビューなどの対面調査，質問紙調査を行うことができなかった。
そこで年度の前半では，新たに収集した資料やインターネット上の情報を用いて，図書館情報専門職としてのコンピテンシー（「何ができるのか」という能力）を有する公的証明としての学位・資格について，質を保証するアクレディテーション制度との関連を含めて，現状の制度内容の調査を進めた。結果，特に専門職団体による図書館情報学プログラムへのアクレディテーションを行っているアメリカ，イギリス，オーストラリアでは，国内の教育機関だけでなく，国外の教育機関のプログラムへの認証が進んでおり，自国の学位に国際通用性をより高めることに努めていることがわかった。
年度の後半においては，上記の研究をさらに発展させる形で，図書館情報専門職の求人における学位・資格要件の国際的な動向について調査を行った。IFLA（国際図書館連盟）の求人専門サイトに掲載された求人情報を10年分調査し，地域別に採用要件としての学位の傾向について比較検討を行った。結果，図書館情報専門職の採用要件は世界的に修士学位が中心になっていること，採用要件学位の質保証を含むことについては，地域間で際立った差が現れたことを明らかにした。
なお上記2つの研究は学術論文として査読誌に投稿し，刊行された（後者は現時点で刊行予定）。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本調査の1年目では，公共図書館職員及び大学司書課程担当教員へのインタビュー調査を予定していたが，それらが全く実施できなかった。
新型コロナウィルスの感染拡大と緊急事態宣言の発令のため，公共図書館は4月より閉館となる図書館が多く，職員の出勤もごく少数となっていた。大学においてもキャンパスの閉鎖，急な授業形態の変更（対面授業からオンライン授業への切り替えなど）があり，本研究のためのインタビューなどを依頼できる状況ではなかった。そのため上記調査の実施を延期することとした。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今年度は，昨年度できなかったインタビュー調査や質問紙調査を行い，研究の遅れを取り戻していく。
ただし初年度での調査成果をもって，実習ガイドラインの試案を作成するので，当初2年目に予定していた試案の作成と公開は，ちょうど一年遅れることになる。以降，各年の調査実施が一年ずつずれるなどの変更が生じている。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大により出張を伴う調査ができず，支出がなかったため。次年度に使用予定。
|
