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2022 年度 実施状況報告書

近世から近代に至る日本伝統文化の分野横断的研究とデータサイエンス教材への活用

研究課題

研究課題/領域番号 20K12565
研究機関同志社大学

研究代表者

福田 智子  同志社大学, 文化情報学部, 教授 (50363388)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード古今六帖 / 百人一首 / 源氏絵 / 歌留多 / 和歌 / 宮廷文化 / データサイエンス / テキストマイニング
研究実績の概要

本研究課題は、2020年度に3年間の研究期間を設定して開始したが、本年度も、新型コロナウィルス感染症の影響が続いており、資料調査や、教材作成のための学生アルバイト雇用を本格的に行うことができなかった。そこで、1年間の研究期間延長を申請し受理されている。
そのような状況ではあるが、研究集会を4回行い、研究成果として論説1編、資料7編を発表した。今年度はとくに、近世における源氏絵研究に力を入れた。資料7編はすべて、これまで取り上げてこられなかった源氏絵に関する基礎研究であり、今後はそれらを分類・整理するとともに、『源氏物語』本文との関わりのみならず、近世における文化の諸相の中に位置づけることが必要である。
なお、宮廷文化研究センターとの連携により、同志社大学が所蔵する二条家文書の調査、研究も進めているが、その過程で、本大学所蔵の伝統文化に関する近世史料全体を把握し、必要に応じて画像データを作成することの意義も認められた。2023年度はこれらの作業も積極的に遂行していく。
アウトリーチ活動としては、公開講演会とワークショップを各1回開催し、また、招待講演を2回行った。このうち、人文科学研究所第103回公開講演会「京の都 宮廷文化のリアル―埋もれた「時」を解き明かす―」では、その内容が「京都新聞」9月1日(木)朝刊(市民版)に掲載された。また、「小野通女ゆかりの匂油(においあぶら)作りワークショップ」では、武雄鍋島家資料・武雄市蔵「香調合法」(武雄市図書館・歴史資料館、佐賀県)に記載される処方に基づいて匂油作りを行い、同志社大学・同志社女子大学の学生や関係者など約20名が参加した。当日の模様は、「京都新聞」2月22日(水)朝刊(市民版)に掲載された。
なお、今年度開催した研究会のうち、矢野環氏の2回にわたる講演については、ご本人の了解を得てYouTubeに公開している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症が流行して3年目となり、今年度後半は、やや人々の動きも活発になってきたが、やはり当初の計画通りに文献調査を実施することができなかったため。また、学生アルバイトについても雇用するにはやはり躊躇せざるを得なかった。研究会も、全4回のうち最後の1回のみハイブリッド開催としたが、それ以外はリモートで開催することになり、本研究課題の関係者が一堂に集う機会が全く得られなかったのは、2020年度、2021年度と同様であったことも挙げられる。

今後の研究の推進方策

2023年度は、本研究課題の関係者が参加する研究会をハイブリッド開催としながらも、対面で参加できる人数を増やすことで、情報共有を容易にし、研究分野相互の融合を図りたい。
また、研究成果の発信方法についても、学生が気軽に参加できるワークショップを複数回開催する。これまでリモートで情報発信してきたが、研究成果をよりリアルに感じられるような企画としたい。
さらに、研究と教育の直結という意味で、学生アルバイト雇用に関して、積極的に行っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

本研究課題は、2022年度も、とくにその前半において、新型コロナウィルス感染症流行の影響により、資料調査のために外部機関を訪問することはまだ躊躇せざるを得ず、また、データベース構築のためのアルバイト学生の雇用もままならない状態であった。秋頃からは、人の動きもやや活発になってきたが、研究会もハイブリッド開催にとどまり、本共同研究の関係者が一堂に会することは一度もなかった。
次年度には、社会全体の動きが正常に戻っていくものと予想される。資料調査には積極的に出向き、通常の研究体制を取り戻したい。また、研究会開催の方法も、リモートを活用しながらも、より多くの共同研究関係者が集う場を複数回設けたい。そのための出張費の支出を計画している。
なお、学生アルバイトについては、教育的配慮からも募集に力を入れたい。と同時に、文系用データサイエンス教材の開発については、遅れを取り戻すためにも、外部のSEに委託することも視野に入れる。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 同志社大学文化情報学部蔵「奈良絵源氏物語色紙」の紹介(一)2023

    • 著者名/発表者名
      福田智子
    • 雑誌名

      社会科学(同志社大学人文科学研究所)

      巻: 52-4 ページ: 1-21

    • DOI

      10.14988/00029444

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 同志社大学文化情報学部蔵「奈良絵源氏物語色紙」の紹介(二)2023

    • 著者名/発表者名
      福田智子
    • 雑誌名

      文化情報学(同志社大学文化情報学会)

      巻: 18-1 ページ: 1-19

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 伝土佐光起筆「白描源氏物語色紙絵」(同志社大学所蔵)の紹介2023

    • 著者名/発表者名
      岩坪健
    • 雑誌名

      社会科学(同志社大学人文科学研究所)

      巻: 52-4 ページ: 23-41

    • DOI

      10.14988/00029445

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 同志社大学所蔵「源氏御手かゝみ」(下)37横笛~54夢浮橋―翻刻・現代語訳・解説―2023

    • 著者名/発表者名
      岩坪健
    • 雑誌名

      人文学(同志社大学人文学会)

      巻: 211 ページ: 29-56

  • [雑誌論文] 〈資料紹介〉住吉具慶筆「源氏物語図額」の紹介2023

    • 著者名/発表者名
      岩坪健
    • 雑誌名

      同志社国文学

      巻: 98 ページ: 266-280

  • [雑誌論文] 『新撰六帖』における為家の万葉歌句摂取―『古今六帖』『五代簡要』の位置―2022

    • 著者名/発表者名
      福田智子
    • 雑誌名

      社会科学(同志社大学人文科学研究所)

      巻: 52-3 ページ: 1-29

    • DOI

      10.14988/00029343

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 同志社大学所蔵「源氏御手かゝみ」(上)1桐壺~18松風の巻―翻刻・現代語訳・解説―2022

    • 著者名/発表者名
      岩坪健
    • 雑誌名

      人文学(同志社大学人文学会)

      巻: 210 ページ: 1-31

  • [雑誌論文] 滋賀県立琵琶湖文化館所蔵「源氏物語画帖」の紹介2022

    • 著者名/発表者名
      岩坪健
    • 雑誌名

      社会科学(同志社大学人文科学研究所)

      巻: 52-3 ページ: 31-42

    • DOI

      10.14988/00029344

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 百人一首とデータサイエンス2023

    • 著者名/発表者名
      福田智子
    • 学会等名
      一般社団法人全日本かるた協会主催 競技かるた第69期名人位・第67期クイーン位決定戦前夜祭 小倉百人一首文化講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 花橘の文化―和歌データベースのテキストマイニングを通して―2023

    • 著者名/発表者名
      福田智子
    • 学会等名
      公開シンポジウム「日本の柑橘はどこから来たのか?」[科学研究費補助金 基盤研究(B)「カンキツの起源と分類の再構築―田中長三郎のさく葉標本と研究ノートの解析ー」(2020~2022年度、研究代表者:北島 宣)
    • 招待講演
  • [図書] 京の都 宮廷文化のリアル―埋もれた「時」を解き明かす―(第103回公開講演会)2022

    • 著者名/発表者名
      同志社大学人文科学研究所編
    • 総ページ数
      78
    • 出版者
      同志社大学人文科学研究所
    • ISBN
      978-4-9911635-7-9

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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