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2021 年度 実施状況報告書

アカデミックマーケティングと学術研究の関連に関する定量的調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K12569
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

西澤 正己  国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00281585)

研究分担者 孫 媛  国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードアカデミックマーケティング / 機能性表示食品 / 大学 / 研究成果 / 学術論文 / プレスリリース
研究実績の概要

平成15年に「景品表示法」の新設等があり、商品・サービスの内容に関する合理的な根拠のない表示を効果的 に規制することができるようになった。これに伴って大学等の研究機関を第三者機関としたアカデミックマーケティングが行われることが多くなってきている。我々は、これまでの研究で、大学関連のプレスリリースと新聞報道等の関連を調査してきた。そこではアカデミックマーケティングに関すると思われる企業との共同研究も多く見られ、本研究の動機となっている。本研究では、これらに関係すると思われる研究成果等の報道に関し、根拠となる学術結果や資料、特許等がどれほど特定でき、公表されているのかを調査する。さらに、これらの文献公表とマーケティングの成功、問題点の有無等との関係を分析し、その関係を明らかにしていくことを目的とする。
本年度は2015年にスタートした機能性表示食品制度において2022年3月時点で届出のある5120件の調査を行った。この中では機能性の科学的根拠として「最終製品を用いたヒト試験」が選択されたものが274件があり、さらに「販売中」となっている171件の届出情報の根拠論文について予備調査を行っている。これらの論文の投稿先は上位3誌に70%が集中し、著者所属で大学等研究機関が関係するものは46.8%あった。これらはアカデミックマーケティングに関係する可能性もあると考えられ、今後さらに調査を行う予定である。また、この中でDOIが特定された39件(異なり)の論文については、Altmetric ScoreとSCOPUSでの引用数も調査している。この結果は情報知識学会年次大会で発表する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目にはプレスリリース記事中の学術成果を機械学習により抽出することに成功している。2年目については機能性食品の機能性の科学的根拠として「最終製品を用いたヒト試験」を行った届出情報を抽出し、根拠論文の調査を行うことにより、アカデミックマーケティングとの関連性を調査した。今後はこれまでに手法を確立しているプレスリリースや新聞報道との関連調査を重点的に行っていく予定である。

今後の研究の推進方策

(1)1、2年目で遅れている部分を中心に調査・分析、開発を行う。さらに、(2)商品の販売状況の調査、決算報告等からの販売状況の確認等、企業のその後の動向を調査する。(3)該当の文献の反証、追試等の文献調査及び文献の公開性と販売状況等の相関の調査を行う。(4)研究のまとめとして、アカデミックマーケティングに関係すると思われる研究報道に関し、根拠となる学術結果や資料等がどれほど特定でき、公表されているのかを年次別・定量的に分析する。また、根拠の文献・資料のオープン性とその後の該当製品等の販売動向等との関係性を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

主に、国際会議が中止になり予定していた旅費が支出できなかった事による。徐々に国際会議への出席も可能になってきており、次年度は出席を予定しており旅費に使用する予定である。また、プレスリリース関連の調査が遅れており、そのための支出にも利用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] アカデミックマーケティングと学術研究の関連に関する定量的調査 -機能性食品届出情報の科学的根拠に関する事例研究-2022

    • 著者名/発表者名
      西澤正己,孫媛
    • 雑誌名

      情報知識学会誌

      巻: Vol.33, No.2 ページ: 240-245

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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