研究課題/領域番号 |
20K12578
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
田中 慶太 東京電機大学, 理工学部, 教授 (10366403)
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研究分担者 |
小渕 千絵 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (30348099)
原島 恒夫 筑波大学, 人間系, 教授 (70262219)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 聴覚 / 聞き取り / 脳磁図 |
研究実績の概要 |
通常の聴力検査では異常が認められないにも関わらず,日常の生活における「聞き取り」困難を有する人達が存在する.最近では,聞き取りと発達障害との関連も示唆されている.聞き取り欠損に関する機構として,情報が蝸牛などの末梢から上行して,左右の聴覚野(中枢)に至る聴覚情報処理システムのうち,大きく 分けて末梢と中枢の機能の異常や低下が示唆される.ただ聴力検査で聞き取り異常が認められないため,多くは中枢レベルでの機能低下が大きな要因であると考えられる.そこで本研究の目的は,ヒトの「聞き取り」の機構を中枢(大脳皮質)レベルで解明することである. 本年度は,脳磁図を用いて,2音節の言語音を用いて,両耳に同時に提示する両耳分離聴検査の実験を遂行し,行動実験による右耳優位性と課題遂行時の脳磁図による脳活動の関連を検討した.具体的には健常者16名を対象として,右耳優位性と聴覚野の脳活動の相関を調べた結果,右耳優位性(laterality=(右耳の正答率ー左耳の正答率)/(右耳の正答率+左耳の正答率))と左聴覚野の脳活動に統計的に有意差が見られた. 今後,聞き取り困難者と健常者の結果を比較することで,聞き取り困難者の特徴を抽出する予定である. また研究分担者との研究会(セミナー)において結果をオンラインにて議論した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は,昨年度と異なり被験者を対象とした実験も制限が少なくなったため,健常者を対象とした脳磁図の計測を行い,健常者の右耳優位性に対する特徴抽出を行い,本研究の見通しが立った.今後は,聞き取り困難者を対象にする予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,聞き取り困難者に焦点をあてる.徐々にではあるが,実験被験者への協力も増えてきている.2021年度の健常者の結果を比較することで,聞き取り困難者の特徴を抽出する予定である. また研究成果を積極的に,国内外の学会発表や学術誌への論文発表により公表していく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度,被験者を用いた実験が制限されていたこともあり,2021年度は,脳磁図計測を生理学研究所(岡崎)で実施たこもあり,旅費に多くの予算を使用した. 2022年度は,聞き取り困難者を被験者への謝金や,研究成果の発表等の旅費などに重きをおいて,使用予定である.
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