研究課題/領域番号 |
20K12579
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
内野 泰 東邦大学, 医学部, 准教授 (60338332)
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研究分担者 |
弘世 貴久 東邦大学, 医学部, 教授 (40384119)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 糖尿病 / インスリン |
研究実績の概要 |
私たちは30年以上にわたり日本の糖尿病・高齢者医療を同時に診てきた。そこで身体機能低下は受容できるが、人格・精神の崩壊を伴う認知症(アルツハイマー病(AD)など)は本人・家族・介護者ともに耐え難い苦痛を伴う。糖尿病は認知症発症の最上リスクであるが、インスリン皮下注射を長期間行っている患者に認知症が少ない。世界では2000年代からアルツハイマー病ワクチンの開発が進行しているが(Nat.Rev.Drug Discov.2011,10;698)、未だに予防・治療のステージには至っていない。 臨床疫学的にも糖尿病は認知症・アルツハイマー病発症の高リスク群であることが証明されている(Lancet.2017 16;390:1211)。しかし、その関連性には「例外」が存在する。長期インスリン注射使用者は皮下に存在する儀腫瘤(インスリン・アミロイド重合蛋白)による皮下免疫応答により、アミロイドAβに対する特異抗体を獲得すると考えている。我々は10年以上にわたる長期インスリン注射を行ってきた糖尿病者に対しVTTQ画像による皮下3次元地図からインスリン・アミロイド化重合蛋白部位を摘出。「位置・空間情」を持つ局所免疫反応を評価する。今までヒトで特定の皮下組織部位を可視化する技術がなかったたが、世界で初めてacoustic radiation force impulse(ARFI)による「仮想触覚」情報から皮下3次元地図を作製し、局所のインスリン・アミロイド化重合蛋白部位を摘出した。今後、解析と共に局所における各種免疫現象を確認できる状況にある。対象血清は-80℃に保存されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今までヒトで特定の皮下組織部位を可視化する技術がなかったが、世界で初めてacoustic radiation force impulse(ARFI)による「仮想触覚」情報から皮下3次元地図を作製し、局所のインスリン・アミロイド化重合蛋白部位を摘出した。得られた数値データの3次元地図への数理解析は難渋する可能性がある。今後、解析と共に局所における各種免疫現象を確認できる状況にある。対象血清は-80℃に保存されている。
インスリン・アミロイド重合蛋白の免疫応答を全身性に確認するため各種アミロイド重合蛋白への特異抗体の評価を行う。対象者全員の血清を用いELISA plate (Immulon2 HB U, Thermo Scientific)によりアミロイドAβ1-42, Aβ1-15, Aβ16-30 , Aβ31-42と重合Aβ1-42へヒトアミロイド重合蛋白特異抗体を確認する。対象者全員への認知機能評尺度:mini mental state examination (MMSE)を施行し、認知機能を確認する。
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今後の研究の推進方策 |
インスリン・アミロイド重合蛋白の免疫応答を全身性に確認するため各種アミロイド重合蛋白への特異抗体の評価を行う。対象者全員の血清を用いELISA plate (Immulon 2 HB U, Thermo Scientific)により各種アミロイド蛋白(Aβ40, Aβ42, など)と重合Aβ1-42のヒトアミロイド蛋白特異抗体を確認する。対象者全員への認知機能評尺度:mini mental state examination (MMSE)を施行し、認知機能を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
微小音響圧を利用して軟部組織を変移させ、その変移量を超音波で位置測定することにより人が奥深い組織を直接触る感覚「仮想触覚」を検知するacoustic radiation force impulse(ARFI)の測定は順調に進んだ。 すでにインスリン使用者の皮下組織3次元マップを試験的に作成した。 生検したインスリン・アミロイド重合蛋白部位からアミロイドAβ特異な組織学的・分子遺伝学的検討を行う。全身性の免疫作用を確認するためアミロイドAβ1-42, Aβ1-15, Aβ16-30、Aβ31-42 ペプチドを準備しELISA法にて測定する準備が整った。 また、新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受け、参加学会・研究会などがWeb開催へ変更になるなど、研究費の差異が生じた。次年度はELISA法の解析費、関連する消耗品などに使用予定である。
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