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2020 年度 実施状況報告書

霊長類の養育行動発現に関わる認知神経メカニズムの解明:マーモセットを用いた検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K12587
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

篠塚 一貴  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (50549003)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード養育行動 / 内側視索前野 / コモンマーモセット
研究実績の概要

今日、親による子の虐待やネグレクトなどが社会的な問題となっており、適切な養育行動の発現に必要なメカニズムを理解することが重要な課題となっている。養育行動が適切に発現するためには、知覚刺激として入力された子を好む、注意を向けるといった認知処理が関わると考えられる。そこで本研究では、一夫一妻で家族で子を育てる小型霊長類コモンマーモセット(Callithrix jacchus)を用いて、養育行動に関わる認知機能と、その神経基盤を検討する。具体的には、オペラント条件づけを応用した認知課題を用いて、提示された子マーモセットの刺激に対する選好および注意を定量する。その後に、被験体の内側視索前野の神経細胞を損傷し、上記の認知的処理がどのような影響を受けるかを検討する。
本年度はタッチパネル型のオペラント装置の作成を行った。オペラント装置は、防水タブレットPC(arrows Tab WQ2/E2, Fujitsu)上で動作する実験プログラム(E-prime 3.0, Psychology Software Tools)で刺激提示、反応取得、信号出力を行い、マイコン(M5Stack Basic, M5Stack)からピエゾマイクロポンプ(SDMP302, Takasago Electric, inc.)を駆動して液体の報酬を提示する設計とした。これらの装置一式をマーモセットケージに固定するフレームを特注し、問題なく動作することを確認した。
また、実験時に提示する刺激画像を作成するため、マーモセット新生児の顔写真を経時的に取得した。同腹で産まれた新生児のオスおよびメス1子ずつを対象として、生後0週齢から5週齢まで、各週齢の顔写真をデジタルカメラで撮影した。撮影した画像に対してトリミングや背景の除去などの画像処理を行い、実験用の刺激画像を作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍により一定程度の遅れは生じたが、刺激写真の取得や装置の作成は順調に完了した。

今後の研究の推進方策

特段の変更の必要はなく、当初計画通りに研究を遂行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

オペラント装置2台分の予算を計上したところ、1台分の作成に留まったために次年度使用額が生じた。作成した装置によって実験が問題なく遂行できることを確認してからもう一台を作成するために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Evolutionary‐adaptive and nonadaptive causes of infant attack/desertion in mammals: Toward a systematic classification of child maltreatment2020

    • 著者名/発表者名
      Kuroda Kumi O.、Shiraishi Yuko、Shinozuka Kazutaka
    • 雑誌名

      Psychiatry and Clinical Neurosciences

      巻: 74 ページ: 516~526

    • DOI

      10.1111/pcn.13096

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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