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2021 年度 実施状況報告書

頸部圧迫の死後画像診断システム開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K12591
研究機関東北大学

研究代表者

臼井 章仁  東北大学, 医学系研究科, 講師 (90588394)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード死後画像診断 / 頸部圧迫 / 急死 / 縊頸 / 絞頸 / 扼頸
研究実績の概要

本研究の目的は、主にCTを使用した死後画像診断のみで頸部圧迫(首絞め、首吊りなど)を画像診断の正確性を向上することである。
今年度もまた、感染症の影響が依然として大きく、不要不急の移動は制限されていた。
放射線画像診断に関する国際学会について、開催日程や参加方法がいろいろと変更などあったため、エントリーすることはできたものの渡航することは叶わず、肝臓損傷と肋骨骨折が併発する確率と診断能に関する電子ポスターの展示を行なうことができた。 これに関しては、英語論文を投稿中である。この他、掲載が遅れてしまったが、頸髄損傷を間接的に示す頸椎や、椎間板の損傷を死後画像上で診断するため、最も頻度が高く観察されるCT画像所見として、損傷により生じる椎間板内のガスの形状や、位置分布を解析した論文を掲載することができた。足が接地しないような縊頸においては、頸椎が損傷・離開することもあるため、このような椎間板内ガスの所見を総括できたことは、今後の頚部損傷など死後画像診断にも寄与するものと思われる。しかし、頸部圧迫の画像診断については、未だ症例の蓄積が困難であったこともあり、発表することはできなかった。
県外など、外への移動は制限されていたが、研究室内では研究の継続は可能であったので、法医学に関する国内における研究結果は、精神疾患など向精神薬投与者の頭蓋骨と薬物の投与期間との関連に関する論文を掲載することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

感染症の影響は小さくなく、解剖数や研究について制限があったこともあり、当初考えていた研究の遂行はなかなか不都合があった。しかしながら、研究結果について考察する時間は確保できたため、proseedingsを含めて、複数の国際論文投稿は可能であった。

今後の研究の推進方策

感染症による影響が、購入する予定であった機器にも制限を及ぼし、いくつか希望する機器購入が宙に浮いた状態である。
解剖前のCT撮影が全く不可能だったわけでもないが、研究に必要な画像保存に関連する機器などは購入済みである。そこで、次年度からも、縊頸(首吊り)における、甲状軟骨のファントム3Dモデルの基本構造や構築方法、解剖学的・形態学的解析を行なっていく予定
である。

次年度使用額が生じた理由

今後、海外渡航など許可されるのか、全く不透明であるので、データ保存用機器などに必要な経費にあてることも考えている。しかし、機器も購入が困難なものがあるので、可能な限りは、国内研究会や学会など参加費用にあてることを考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Cervical intervertebral separation caused by trauma on post-mortem computed tomography: Possibility of a diagnosis based on intervertebral gas2022

    • 著者名/発表者名
      Kudo Seina、Kawasumi Yusuke、Usui Akihito、Igari Yui、Funayama Masato、Ueda Takuya、Ishibashi Tadashi、Saito Haruo
    • 雑誌名

      Forensic Science International

      巻: 330 ページ: 111049~111049

    • DOI

      10.1016/j.forsciint.2021.111049

  • [雑誌論文] Block-like and cast-like hyperdense areas in the right heart cavities on post-mortem CT strongly suggest the presence of intracardiac blood clots at autopsy2021

    • 著者名/発表者名
      Kasagawa Akito、Usui Akihito、Kawasumi Yusuke、Funayama Masato、Saito Haruo
    • 雑誌名

      European Radiology

      巻: 31 ページ: 8879~8886

    • DOI

      10.1007/s00330-021-08052-z

  • [雑誌論文] 高エネルギー外傷症例における死後CTによる肝損傷評価2021

    • 著者名/発表者名
      奥村 颯紀, 川住 祐介, 臼井 章仁, 舟山 眞人, 植田 琢也, 金田 朋洋
    • 雑誌名

      法医学の実際と研究

      巻: 64 ページ: 63~67

  • [雑誌論文] 法医解剖前CT画像を用いた精神神経疾患罹患者・向精神薬服用者の頭蓋骨厚の検討2021

    • 著者名/発表者名
      横山 光, 臼井 章仁, 川住 祐介, 舟山 眞人
    • 雑誌名

      法医学の実際と研究

      巻: 64 ページ: 51~61

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公開日: 2022-12-28  

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