本研究の目的は、血液脳関門(BBB)構成細胞からなるBBBスフェロイドをマイクロアレイ内に配置し、ハイスループットな薬剤透過性試験を実現することであった。市販のヒト初代脳血管内皮細胞を用いてスフェロイドを作製し、これをマイクロアレイに捕捉することに成功した。マイクロアレイ内のスフェロイドに対して蛍光標識したデキストラン溶液を投与し、経時的に同一スフェロイドの断面画像を撮影して蛍光輝度を測定したところ、取り込み量の増加を認めた。また、流れ刺激存在下でも蛍光試薬の取り込み試験が可能であった。ただし、BBBのバリア機能の生理学的特徴を再現するまでには至らなかった。
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