研究課題/領域番号 |
20K12604
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
原田 義規 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10381956)
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研究分担者 |
望月 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50868768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自家蛍光 / 非染色 / 非固定 / ラベルフリー / 光イメージング |
研究実績の概要 |
消化器腫瘍の診断に内視鏡検査は必須であるが、その検出感度には限界がある。それを補うものとして自家蛍光内視鏡が臨床で使用される。消化器組織には、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、フラビンアデニンジヌクレオチド(flavin adenine dinucleotide、FAD)やコラーゲンなどの自家蛍光物質が含まれる。研究代表者は自家蛍光物質、特に還元型NADHに着目し、大腸腫瘍を描出可能な2波長励起蛍光イメージング法を開発した(Imaizumi et al. Gastrointest Endosc 2012, Miyawaki et al. Acta Histochem Cytochem 2014)。同法は、粘膜上皮細胞に豊富に含まれる還元型NADHを背景蛍光から分離して検出し、粘膜上皮の腫瘍化を選択的に描出できるが、その性能は臨床応用するには充分とはいえない。本研究では、情報科学的手法を用いて自家蛍光イメージング法を含めた新たなラベルフリーイメージング法の基礎技術を開発する。また、非染色・非固定の消化器組織において、自家蛍光とともにラマン光も同時に検出可能なため、ラマン光による消化器疾患イメージング法の開発も探索する。本年度は、昨年度に引き続き、蛍光イメージングシステムの改築、ラット組織の画像を取得し、測定条件等の検討を行った。また、532nm励起光におけるラット組織の無染色・無固定発光イメージングを行い、画像解析を行った。すなわち、自家蛍光成分とラマン光成分の分離を行い、消化器疾患のラベルフリーイメージングの可能性を探索した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
蛍光イメージングシステムの改築を行っているが、システム老朽化の影響もあり、画像取得に支障が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の推進方策として、従来用いていた自家蛍光イメージング機器に加えて、自家蛍光も同時取得可能な高感度顕微鏡イメージングシステムも用いることとする。本機器は、自家蛍光とともにラマン光も同時に取得でき、消化器組織のラベルフリーイメージングが可能となるため、本研究課題遂行に用いることとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
イメージング機器の不具合とコロナ禍の影響もあり、研究進捗がやや遅れたため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、自家蛍光も同時取得可能な高感度顕微鏡イメージングシステムを用いた消化器組織のラベルフリーイメージングの研究課題遂行のために主に用いる予定である。また、投稿論文の発刊費用や学会参加費にも充当予定である。
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