最終年度は、R3年度に確立したハイドロゲルセンサーの基本組成を元に、ハイドロゲル中に合成した蛍光色素を固定化し、インスリン応答性と蛍光強度を評価しました。また、新たに合成した蛍光色素を追加したが、R3年度に合成した色素と同様に、溶解性や結合の不安定性の影響により、以前に合成していた蛍光色素と比較してインスリン応答性が低下してしまった。 また、R3年度にLEDとPDの最適化により高感度化したデバイスと、R2年度に開発したヒーター式デバイスを組み合わせて、デバイスを作製した。 ハイドロゲルセンサーとデバイスを用いて、PBSや生食にインスリンを溶解させ、インスリンの繰り返し測定を実施したところ、一度はインスリン測定はできたが、繰り返し測定には、ハイドロゲルセンサーの熱電動が低く、高温にしすぎるとハイドロゲルセンサーの水分が蒸発してしまい、形状を保たせることが困難であり、LEDにもダメージが生じてしまい、光強度弱くなってしまったため、繰り返し測定には至らず、ハイドロゲルセンサーの定量性のある測定が困難であった。 ラットの血漿および全血にインスリンを添加して、ハイドロゲルセンサーとデバイスに滴下し、インスリン濃度の測定を実施したが、全血や血漿では、周りの夾雑物の影響から、自家蛍光が強く、生食やPBS中に比べバックグラウンドが上昇してしまい、非常に微量なインスリンに反応して生じる蛍光強度はバックグラウンドに吸収されてしまい、観察することが困難であった。
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