研究課題/領域番号 |
20K12626
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
上田 徹 大分大学, 医学部, 客員研究員 (90315333)
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研究分担者 |
小林 正 大分大学, 理工学部, 名誉教授 (30100936)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ADの早期診断方法 / ESRバイオマ-カ-検出キット / 磁場/周波数掃引QD法 / コルゲートホーン型ESR装置 |
研究実績の概要 |
本研究の概要は、発症前アルツハイマー病(AD)の末梢血サンプルにおいて、フリーラジカル関連のバイオマーカー:ラジカル化凝集アミロイド蛋白(Aβ)を特殊なキットを使って検出し、新規に開発された周波数掃引仕様の小型化電磁ホーン型電子スピン共鳴(Elecrton Spin Resonance;ESR)装置で定量化すること、新規末梢血バイオマーカーであるラジカル化凝集Aβが、ADの早期発見の一指標となり得るか検討することである。 当該年度の目的は、①ADの早期診断方法を確立するため、AD発症前の末梢血サンプル(血漿)における新規なバイオマーカーの開発を行うこと②新規バイオマーカーの測定のため、感度・操作性などを向上した小型化周波数掃引仕様電磁ホーン型ESR装置を開発すること であった。まず①において、βアミロイド蛋白の検出に使われているキット(ELISA; サンドイッチ法)を参考に新たなESRバイオマーカー検出キットを作製。発色液の代わりに、スピントラップ剤を使う予定としていた。従来のバイオマーカー検出キットを作製している企業と提携して研究を推進することにしていたが、前年度と同じくコロナ流行のため新規ESRバイオマーカー検出キットの作製まで至らなかった。②においては他研究費と合同で、磁場/周波数掃引QD法コルゲートホーン型ESR装置を開発し、ハード面でHEMTとコルゲートホーンにより大幅な信号増大と計測の優位性が得られた。またソフト面では積算とFFTフィルタ‐処理でHEMT増幅時のノイズ幅を減らしS/N比で10倍程度の感度が向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新規ESRバイオマーカー検出キットの開発を、関連企業と合同で行う予定であったが、コロナ禍の影響で全く進行してない。その一方で、磁場/周波数掃引QD法コルゲートホーン型ESR装置の開発が進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が落ち着き次第、関連企業と合同で、新規ESRバイオマーカー検出キットを速やかに開発する。同時に磁場/周波数掃引QD法コルゲートホーン型ESR装置の感度の向上を目指す。ESRバイオマーカー検出キットができ次第、既に販売されているラットADモデルを使って、本法がADの早期発見の一指標となり得るか検討する
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、関連企業と合同での新規ESRバイオマーカー検出キットの開発が進まなかった。最終年度では、ESRバイオマーカー検出キットの開発、磁場/周波数掃引QD法コルゲートホーン型ESR装置の改良および小型化、ラットADモデルの購入に残額を使用する予定である。
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