本研究による成果として、血液にせん断応力を負荷する新たなせん断負荷装置を開発することに成功した。これは、血液にせん断応力を負荷する際に、空気の血液への巻き込みを防止するものである。空気の巻き込みが、血液凝固反応に大きな影響を及ぼすことが判明したため、本実験計画で予定していた最高せん断応力120Paを、空気を巻き込むことなく安定して血液に負荷する必要があった。また、ウシ、ブタ、ヒトと、種差の異なる血液試料において、血液凝固因子が正確に計測できるかを比較し、その正確性を確認することができた。これらは、人工心臓装着患者の出血および血栓合併症を防ぐために、重要な解析手法である。
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