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2021 年度 実施状況報告書

拡張性DDSプラットフォームによる加齢黄斑変性治療法イノベーション

研究課題

研究課題/領域番号 20K12640
研究機関東北大学

研究代表者

永井 展裕  東北大学, 医学系研究科, 助教 (30400039)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードDDS / 加齢黄斑変性 / 脈絡膜新生血管 / 徐放 / 網膜
研究実績の概要

本研究は、後眼部に容易に着脱可能で長期間持続的に薬剤投与が可能な薬剤徐放デバイスを開発し、眼内侵襲をなくした安全で確実な治療法を開発することを目的とした。2年目は、1年目に検討した5種類の候補薬からマルチキナーゼ阻害薬を選択して、長期徐放化の安定性を3ロット以上確認することを検討した。徐放性は、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDM)とポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDM)の組成比を変えた3パターンを作成した。その結果、ラット埋植用の小型DDSにおいて、約1μg/day、約2μg/day、約3.5μg/dayの3種類を3ロット以上安定して製造できた。また、保存安定性を確認するために、各ロットを加速条件の40℃/75%RHに1か月間保存後に徐放性を評価した。その結果、加速条件保存後においても保存前と同じ放出性を示した。次に高放出ロット(約3.5μg/day)を用いてIn vitro細胞培養実験による新生血管抑制評価を検討した。血管内皮細胞(HUVEC)を培養後、徐放デバイスをカルチャーインサートに入れて共培養し、7日後にCD31免疫染色によってHUVECのキャピラリー形成面積を画像解析ソフトによって定量した。その結果、徐放デバイス群ではVEGFで誘発されるHUVECのキャピラリー形成を抑制した。以上から、徐放デバイスの安定性とIn vitro薬効を評価した。今後は動物実験による網膜脈絡膜新生血管の抑制実験を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目は候補薬の徐放化に成功し、2年目は徐放デバイスの安定性とIn vitro薬効性を評価することができた。最終年度の3年目は動物実験による薬効を評価して目標が達成される。

今後の研究の推進方策

次年度は動物実験による徐放デバイスの有効性の評価が目的となる。加齢黄斑変性症モデルのレーザー誘導脈絡膜新生血管モデルは、過去に何度も作成および評価したことがあり、実験方法には問題ない。有効性が見られない場合は、薬物の放出性を高めたDDSを用いることになるが、2年目ではすでに3種類の放出パターンを作成しており、準備は迅速に可能である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍による出張回数減と予定していた高コストの動物実験を次年度に延期したため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Polymeric Device for Transscleral Drug Delivery to the Posterior Segment of the Eye2021

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Nagai
    • 学会等名
      JAPAN KOREA HONG KONG ONLINE JOINT OPHTHALMOLOGY MEETING 2021
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 後眼部疾患に対する低侵襲な持続投与デバイスの開発と臨床応用2021

    • 著者名/発表者名
      永井展裕、阿部俊明
    • 学会等名
      バイオジャパン2021セミナー

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公開日: 2022-12-28  

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