研究課題/領域番号 |
20K12640
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永井 展裕 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30400039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 薬物送達 / 網膜 / 後眼部 / 加齢黄斑変性症 / 新生血管 / 脈絡膜 |
研究成果の概要 |
本研究は後眼部に容易に着脱可能で長期間持続的に薬剤投与が可能な薬剤徐放デバイスを開発し安全で確実な治療法を開発することを目的とした。5種類の候補薬の徐放化を検討し、そのうち長期の徐放化を達成した1種類の薬物について、In vitro細胞培養と動物実験による新生血管抑制評価を検討した。その結果、薬物徐放デバイスは血管内皮細胞の増殖をIn vitroで抑制した。しかし、ラット後眼部投与実験ではレーザー誘導脈絡膜新生血管を抑制することができなかった。ウサギ後眼部投与実験で網膜への薬物移行が不十分であることが示唆された。以上から、網膜への薬物移行を改善する薬物放出条件の探索が今後の課題である。
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自由記述の分野 |
生体材料学、薬物送達学、眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化長寿社会の到来とともに難治性網膜疾患の罹患者は世界的に増加の一途にあり、中でも加齢黄斑変性症は高齢化で将来の失明原因1位が予測されており治療法開発は喫緊の課題である。現状の治療法は眼内に侵襲的で、視力維持には毎月の眼内注射が必要なため通院や高額な医療費など患者への負担は大きい。本研究は眼内に長期間薬剤投与が可能な薬剤徐放デバイスを開発し安全で確実な治療法を開発することを目的とした。その結果、薬物徐放デバイスは完成し細胞培養レベルで有効性を認めたが、動物実験では有効性を得ることができなかった。網膜に薬物が到達するまでのバリアを理解し、薬物放出性の改善をすることが今後の課題である。
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