研究課題/領域番号 |
20K12642
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡部 素典 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60283066)
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研究分担者 |
吉田 淑子 富山大学, 医学部, 客員教授 (00171421)
松村 和明 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00432328)
野村 義宏 東京農工大学, 農学部, 教授 (10228372)
芳村 直樹 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20401804)
長田 龍介 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (40293310) [辞退]
頭川 峰志 富山大学, 附属病院, 診療助手 (30456389)
大場 次郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40829727)
林 京子 中部大学, 大学院工学研究科, 客員教授 (60110623)
荒井 健一 富山大学, 学術研究部医学系, 客員助教 (40752960)
伊藤 哲史 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90334812)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | HD羊膜 / 癒着防止作用 / 慢性瘻孔(EAF) / 重症熱傷 / 抗ウイルス効果 / 特定臨床研究 / トランスレーショナルリサーチ / 開発 |
研究実績の概要 |
先に作成したⅢ度熱傷創傷モデルを用いてControl群(HD-AMおよび胎盤由来細胞を使用していない)、Cell群(胎盤由来細胞を使用)、HD-AM群(HD-AMを使用)、HD-AM/Cell群(HD-AMおよび胎盤由来細胞を使用)の各群について肉芽(移植床)形成状況をモデル作製後1日目、4日目及び1週間後に検討した。 【熱傷の治療部位における肉芽組織の厚さを評価】各群で創傷部における肉芽組織の厚さを測定し(黒色矢印で示す)、1日目、4日目および7日目において比較した。 HD-AM/Cell群は、7日目の肉芽組織が有意に厚かった。 【再生肉芽内の管腔様構造】 4日目においてCell群およびHD-AM/Cell群の再生肉芽内で血管新生が見られ、平滑筋細胞による管腔様構造も確認できたが、HD-AM群では血管内皮細胞および平滑筋細胞が認められるもののいずれも管腔様構造は確認できなかった。7日目ではControl群を除く他の群全ての再生肉芽内に血管内皮細胞および平滑筋細胞の分布が集約し、管腔様構造が確認できた。また、Cell群およびHD-AM/Cell群ではHD-AM群に比べて再生肉芽のより深層部での管腔様構造が観察された。4日目ではCell群、HD-AM群 、HD-AM/Cell群(全ての実験群)はControlよりも有為に管腔様構造の長さが増加した。7日目では管腔様構造の長さが有為に増加したのはHD-AM/Cell群であった。Cell群、HD-AM/Cell群において、管腔様構造の数は少ないが広い領域(浅部および深部)での血管走行が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にⅢ度熱傷の動物実験モデルを作成し、HD羊膜による肉芽増生、炎症性細胞浸潤、線維芽細胞の遊走と増殖、血管新生について評価してきた。予定の細胞を加えての検討結果を整理し、特許申請を予定しているために公表を差し控えるようお願いしている。HD羊膜の強度増強について高分子化合物を担当する研究分担者とWebミーティングし、どのようなものを合成するか話し合った。腱断裂疾患モデルを用いた癒着防止効果について論文としてまとめることができた。学外の臨床家の先生方とWebミーティングして、特定臨床研究として倫理委員会(CRB)に申請した。学外および学内の研究協力者(臨床家)と協力して眼科領域の特定臨床研究ができるよう整備した(CRBへの申請および承認)。羊膜の抽出物のCOVID-19(新型コロナウイルス)に対する効果を検討するため、富山大学のP3実験について委員会へ使用許可を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
1)本研究課題で残っている課題について ①予定している細菌株の効果を検討する②新型コロナウイルスを用いたP3実験を開始する③HD羊膜の強度増強を実施し、人工気管支として利用できるか検討する④人工気管支を移植するモデル動物の作製およびHD羊膜利用の人工気管支の使用効果を検討する 2)公表した論文をもとに特定臨床研究を実施し、開発へと進展させる(トランスレーショナルリサーチへと発展) ①重症熱傷および難治性皮膚潰瘍へ利用できるか臨床研究をする(肉芽形成および上皮化(植皮等)促進作用を検討する)②難治性眼表面疾患(先進医療B 『ハイパードライヒト乾燥羊膜を用いた外科的再建術 再発翼状片(増殖組織が角膜輪部を超えるものに限る。)』の選択/除外基準で対象外となる患者)に対しての臨床研究をする
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品購入の際に予定よりも安価で入手できた事が重なったために次年度使用額が生じた。本年の消耗品購入に使用する予定である。
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備考 |
所属機関および共同研究者(研究協力者)のHPで掲載のあるところ
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