研究課題
基盤研究(C)
不均一な性質のナノ~マイクロサイズの微粒子の集団である細胞外小胞を分離する指標として表面糖鎖に注目した。本研究では間葉系幹細胞および骨芽細胞に分化誘導した細胞から細胞外小胞を回収し、その糖鎖パターンをレクチンマイクロアレイおよび一粒子解析によって比較した。その結果、骨芽分化前後で表面糖鎖パターンは変化し、さらに骨芽細胞から分泌する細胞外小胞と石灰化に関与する基質小胞でも違いが見られた。今後は表面の糖鎖によって細胞との相互作用がどのように変化するかを評価する。
バイオマテリアル
細胞外小胞の糖鎖解析に関する報告例はその他の構成成分であるタンパク質、脂質、核酸に比べて少なく、レクチンマイクロアレイ法による解析は糖鎖のパターンを少量のサンプルで網羅的に解析する手法として有用である。さらに、一粒子解析を行うことでより詳細な評価が可能となり、細胞外小胞の不均一性の解明やバイオマーカーの特定に応用できると考えられる。