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2020 年度 実施状況報告書

ボツリヌス神経毒素の鎮痛効果発現における直接的作用と間接的作用

研究課題

研究課題/領域番号 20K12648
研究機関岡山大学

研究代表者

山本 由弥子  岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20403496)

研究分担者 松香 芳三  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90243477)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードボツリヌス神経毒素 / 神経障害性疼痛
研究実績の概要

神経障害性疼痛は、末梢神経の物理的損傷、抗がん剤による誘発、帯状疱疹後神経痛など種々の原因によって引き起こされる。我々は、末梢神経の物理的損傷による神経障害性疼痛モデルとして眼窩下神経を結紮したラットや坐骨神経絞扼ラットを用いて、A型ボツリヌス神経毒素(BoNT/A)の鎮痛効果の分子メカニズムを解析してきた。BoNT/Aの鎮痛効果はBoNT/Aの投与側だけに限局されると考えていたが、近年の抗がん剤誘発性神経障害性疼痛モデルラットを用いた研究により、片側の顔面部に末梢投与したBoNT/AがBoNT/A非投与側でも鎮痛効果を示すことを観察して、BoNT/Aの両側性の鎮痛効果を明らかにした。そこで、本年度は、発症機序の異なる神経障害性疼痛でもBoNT/Aが両側性の鎮痛効果を示すか否かを調べるために、眼窩下神経を結紮した三叉神経障害性疼痛モデルラットにおいてBoNT/Aの両側性の鎮痛効果を調べた。疼痛の評価は、機械刺激による逃避反応の閾値を測定するvon Frey試験により行った。左側の眼窩下神経を結紮することにより左側の顔面部に疼痛を生じたラットにおいて、非結紮側(右側)の顔面部にBoNT/Aあるいは生理食塩水を末梢投与した。生理食塩水投与群では眼窩下神経結紮側の閾値の回復は観察されなかったが、BoNT/A投与群では非結紮側とほぼ同じレベルまでに閾値の回復が観察された。このことから、末梢神経の物理的損傷による神経障害性疼痛でもBoNT/Aは両側性の鎮痛効果を示すと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により、研究活動が制限されたこと、またオンライン授業への対応等で当初の予定よりも教育活動のエフォート率が高くなったことで、初年度に計画していた研究をすべて実施できなかった。

今後の研究の推進方策

申請書の研究計画のとおり研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により研究が遅れているために次年度使用額が生じた。本年度に実施できなかった研究を次年度以降に実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 抗がん薬誘発性神経障害性疼痛モデルにおいて片側に投与されたA型ボツリヌス神経毒素の両側性の鎮痛効果2021

    • 著者名/発表者名
      山本由弥子,Arief Waskitho,Huijao Yan,Resmi Raju,Swarna Lakshmi Raman,美間健彦,後藤和義,横田憲治,松下治,松香芳三
    • 学会等名
      第94回日本細菌学会総会

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公開日: 2021-12-27  

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