本研究では、下肢慢性動脈閉塞症の治療を目指し、血管新生を誘導可能な核酸医薬の創製を試みた。核酸分子としては、アンチmiRNAオリゴ核酸(AMO)に着目し、また、AMOの病変部位への集積性を高めるため、そのキャリアとして生分解性ポリマーからなるナノ粒子を調製した。このナノ粒子は、表面のRGDペプチドを介しAMOを血管内皮細胞に効率良く集積させることができた。血管内皮細胞による創傷治癒試験及びチューブフォーメーション試験から、血管新生誘導能の高い3種のAMOを見いだし、さらに、そのAMOを担持したナノ粒子が顕著に血管新生を誘導できることが明らかになった。
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