研究課題/領域番号 |
20K12659
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
上野 富雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70284255)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ヒト小腸粘膜下組織 / 脱細胞化 / 成長因子 |
研究実績の概要 |
本研究は、ヒト組織を用いて行うため、川崎医科大学・川崎医科大学附属病院倫理委員会に倫理審査の申請を行った。2021年4月30日、承認番号5219-00として、承認された。
ヒト組織での本実験を施行する前に、ブタ組織を用い、基本手技の確認を行った。ブタ小腸組織に対し、以下の手順を行った。1、物理的剥離(小腸の漿膜筋層、粘膜層を物理的に剥離する。)2、脱脂操作(脱脂容剤(Triton X-100)に12時間浸水させた後、脱イオン化水で3度洗浄する。)3、酵素消化(トリプシン液とともに12時間インキュベートし、3度生理食塩水で洗浄する。)4、界面活性剤処置(ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfatel: SDS)液に4時間浸水させ、3度生理食 塩水で洗浄する。)5、凍結乾燥化(過酢酸アルコール液に30分浸水させ、生理食塩水で洗浄した後、フリーズドライにかける。)それぞれの過程で、成長因子の計測を行った。成長因子はTNF-αをELISA法にて測定した。最後に脱細胞化した組織に対し、real time PCR法を行い、脱細胞化した組織内にDNAがないことを確認した。
その結果、物理的剥離後のSISと比較して、脱細胞化処理したSISは急激にTNF-αの低下を認めた。このことは、既報とは異なっており、脱細胞化組織からの成長因子の抽出法に問題があると考え、現在、検討を行っている。real time PCR法では、10検体中9検体で、DNAの存在を認めず、脱細胞化の手技、PCRの手技ともに、ヒト組織標本にて実験を継続する上で、問題ないと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理審査の申請、承認が遅れたため、ヒト組織での本実験を施行する前に、ブタ組織を用い、基本手技の確認を行った。ブタ小腸組織に対し、以下の手順を行った。1、物理的剥離(小腸の漿膜筋層、粘膜層を物理的に剥離する。)2、脱脂操作(脱脂容剤(Triton X-100)に12時間浸水させた後、脱イオン化水で3度洗浄する。)3、酵素消化(トリプシン液とともに12時間インキュベートし、3度生理食塩水で洗浄する。)4、界面活性剤処置(ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfatel: SDS)液に4時間浸水させ、3度生理食 塩水で洗浄する。)5、凍結乾燥化(過酢酸アルコール液に30分浸水させ、生理食塩水で洗浄した後、フリーズドライにかける。)それぞれの過程で、成長因子の計測を行った。成長因子はTNF-αをELISA法にて測定した。最後に脱細胞化した組織に対し、real time PCR法を行い、脱細胞化した組織内にDNAがないことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、免疫組織染色を行い、どの成長因子の測定が適切なのか検討する。さらにSISから成長因子の抽出にはビーズ法とソニケーションを併用することとし、今後はヒト組織標本に対して、実験を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
倫理審査への、申請、承認が遅れ、本実験に進めず、次年度使用額が生じた。次年度は、ヒト組織標本に対し、予定された実験、すなわち、1、物理的剥離(小腸の漿膜筋層、粘膜層を物理的に剥離する。)2、脱脂操作(脱脂容剤(Triton X-100)に12時間浸水させた後、脱イオン化水で3度洗浄する。)3、酵素消化(トリプシン液とともに12時間インキュベートし、3度生理食塩水で洗浄する。)4、界面活性剤処置(ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium dodecyl sulfatel: SDS)液に4時間浸水させ、3度生理食 塩水で洗浄する。)5、凍結乾燥化(過酢酸アルコール液に30分浸水させ、生理食塩水で洗浄した後、フリーズドライにかける。)それぞれの過程で、免疫組織染色を行い、どの成長因子の測定が適切なのか検討する。その結果に基づいて成長因子の計測を行う。最後に脱細胞化した組織に対し、real time PCR法を行い、脱細胞化した組織内にDNAがないことを確認する予定である。
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