研究課題
基盤研究(C)
腫瘍に蓄積させた磁性ナノ粒子に交流磁場を印加して発熱させることで腫瘍部を加温し,非侵襲的にガンを治療する磁気ハイパーサーミアが患者のQOL向上のために研究されている。本研究では,酸化鉄ナノ粒子に交流磁場を印加して加熱しながら,粒子の磁気信号から粒子の温度を非接触で推定する手法と一定温度に制御する手法を開発した。その結果,0.2℃程度の誤差で温度推定でき,直流磁場を交流磁場に重畳印加することで定温制御できることを明らかにした。
磁性
ハイパーサーミア治療では腫瘍部を加温して一定温度に保つ必要があるが,これまでに提案されている手法では,腫瘍温度を監視するために温度センサーを刺入しなければならず,QOL向上の利点である非侵襲性が失われてしまう問題点があった。本研究によって,非侵襲性を保ったままハイパーサーミア治療を実現するための手法の要素技術を構築することができた。