研究課題/領域番号 |
20K12664
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
本間 達 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60361721)
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研究分担者 |
伊藤 南 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20311194)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 選択式脳低温療法 / 数理モデル / 内部状態推定 / 制御アルゴリズム |
研究実績の概要 |
当初の計画では,数理シミュレータ構築のために必要なワークステーションを2020年度10月までに購入し,必要なプログラミング環境等を設定して解析プログラムの開発を進行する予定であった.しかしながら,コロナ禍により半導体の流通に不足を生じて,購入予定であったワークステーションが製造中止となり,その後継機も製造数が少なく,年度内の納品が困難という状況になった.そこで,一部計画を組み替え,ワークステーションの購入を2021年度におこなうこととし,解析プログラムの設計と,数理シミュレータ完成後に行う予定であった実験装置との連携に必要となる,実験装置の改修作業を前倒しして進めることとした. 数理シミュレータのための,脳内温度推定のための解析プログラムは従来開発してきた温度分布可視化シミュレータを基礎として発展的に製作するものであり,従来プログラムよりも必要な演算量と記憶容量が増大するので,稼働にはワークステーションが必須であるが,これを構築するための各モジュール自体は分割して,汎用PCでも開発できる.このための仕様について確認し,モジュールごとのプログラミングは20%程度の進捗状況にある. ワークステーションと実験装置を接続して,脳内温度分布推定の模型実験をおこなうためには,接続用インターフェースの追加製造が必須である.このための必要な電子回路を設計し,一部を製造して動作試験をおこない,必要十分な性能を有することを確認した. また,温度分布可視化シミュレータについては論文を発表予定であるが,査読の照会事項が本研究計画の進行に有意義な示唆となったので,これを補足する追加実験をおこなった. なお当初計画していたワークステーションの代替機の機種選定は終了しており,2021年度前半で入手できるように,現在手配中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により計画の中心となるワークステーションの入手が,2020年度内に困難であったことで,研究計画の組み直しをおこなったことが特に大きな理由である.また,最も効率的な作業手順を想定していたが,順番を入れ替えたことにより,効率の低下が避けられなかった.しかしながら,3年間の計画の中で進行すべき手順を入れ替えて進行しているので,初年度の計画から外れているが,3年間の計画として考えれば若干遅れたと状況であると自己評価している.この遅れは,今後の進行で取り戻せるものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に入手できなかったワークステーションは2021年度前半で入手できるように,現在手配中である.入手でき次第,プログラム環境を構築し,分割して作成している数理シミュレータ用の各モジュールを組み込むと同時に,不足しているモジュールも逐次開発していく.2021年度中に数理シミュレータを構築し,この動作確認をおこないながら,モジュールごとの微調整をおこなって有効なシステム完成する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で2020年度に購入を予定していた物品の流通が滞り,年度内の納品が不可能な状況になったことから,2021年度に購入時期をずらしたことによる.また,当初購入を予定していた物品(ワークステーション)は製造中止となったため,代替機の機種選定を改めておこない,2021年度4月に選定を終了した.業者への見積請求を経て,現在購入の手続きに進んでいる.この物品もコロナ禍での部品製造の問題から納入までの期間が例年より長くなり,3か月程度を見込んでいる.なお,物品の納品後,ただちにその運用に入るための準備はすでに完了している. また,2020年度に予定していた数件の学会発表が,コロナ禍の影響で開催が延期されたり,遠隔での開催へと移行したため,学会参加費の一部を,通信機器の購入に充当し,これに対応した.
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