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2020 年度 実施状況報告書

家庭用の自動血圧計に実装する動脈硬化早期診断装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K12666
研究機関名古屋大学

研究代表者

宮城 英毅  名古屋大学, 医学部附属病院, 研究員 (10745318)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード血管機能検査 / 動脈硬化 / 血管拡張 / 血管内皮機能 / FMD検査
研究実績の概要

生活習慣病は、早期発見・早期治療で対応するしかなく、決定的な治療法がない。生活習慣病と同時に進行する動脈硬化症が進行した先には血管疾患や認知症等で多くの医療費が費やされている現状があり、予防のとり組みが喫緊の課題といえる。動脈硬化を早期発見するには、非侵襲的に行える血管機能検査が有効である。しかし、従来の機器では本来期待している早期血管障害の検査としての発展は難しいうえに、予防を目的とする未病者への展開が難しいとされている。そのため、だれでも計測が行える医療機関外での使用を前提とした簡易で信頼性の高い検査方法が望まれている。そこで、本研究は家庭で計測できる(血圧測定時に使用する)カフを用いた動脈硬化の早期診断を目的とした血管内皮機能検査機器を開発することを目指す。
初年度は、試作機一号機の完成を目指して研究開発が進められた。上期は、主に計測装置の仕様設計を行い、下期頃より協力会社とともに装置の製作を開始した。試作機は、FPGA(Field Programmable Gate Array)モジュール基板を組み込み、カフ圧、流量制御の計測ユニットと計測パラメータ(脈波情報,血圧情報)回路を研究開発した。計測機能として、上腕の血圧、血管内皮機能となる血管拡張を計測できる機能を実装した。血管拡張を計測するために、カフ圧情報をFPGAへ記録して、流量情報と合わせカフの昇降圧時の情報からカフ内空気容量―カフ圧の関係を取得できるように設計を行い、この関係の解析から血管容量―血圧の関係が得られるようにアルゴリズムを作成した。試作した装置を上腕へ装着して、想定していた昇降圧の制御やカフ容量の増減を確認することができた。また、実証試験の予備検証を目的として実施する施設関係者と協議を重ねて、倫理審査申請を行い、受理された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の進捗は、初年度目標としていた装置の試作機の製作は順調に進めることができた。しかし、試作機製作後における装置の調整・改良において、新型コロナの感染防止の観点から関係者との(予備実験等の)対面協議や被験者確保に制限を行って実施されたため、必要な実験やデータ取得数に課題を残した。
次年度の実証試験においても、新型コロナの感染予防を必要に応じて措置を講じる予定だが、被験者となる様々なバラエティーの確保に困難が想定されるため遅延が想定される。

今後の研究の推進方策

初年度に試作した装置を用いて性能検証および安全について試験を繰り返して課題整理および装置の改良・調整を行う。その後、試作機器の計測値の妥当性および装置の性能評価を目的として既存の血圧計と比較する実証試験を行う。実証試験の結果をもとに、計測アルゴリズム及び計測方法の検討を行い、計測方法の確立を目指す。あわせて、当大学、実施施設での実証試験における倫理申請を提出して承認をえる。
また、必要不可欠な高齢者および血圧が高めの被験者に確保については、新型コロナの感染防止に留意して計画変更を行う予定である。実証試験の時期は、施設関係者と協議を重ねて年度末頃を目標に準備を進める予定とする。
さらに、試作機の基礎研究として昇降圧時のカフ下の上腕動脈の様子を観察できる超音波プローブを設けた装置の試作・改良・調整を開始する。

次年度使用額が生じた理由

(次年度使用額が生じた理由)
以前に製作した試作機の部品を用いたことで、物品費の購入費用が削減された。また、新型コロナの感染防止のため、対面における打合せ・実験中止により謝金、旅費が削減された。
(次年度使用額の使用計画)
試作機の製作に用いる費用は概ね完了したので、次年度は、事前検証および実証試験の結果を元に計測システムの改良にかかる開発・改良費、計測システムの評価に必要となる計測器の開発費、解析ビュワーの開発および計測時に必要な消耗品に充てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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