研究課題/領域番号 |
20K12674
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
穂積 健之 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (30343411)
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研究分担者 |
呉 海元 和歌山大学, データ・インテリジェンス教育研究部門, 教授 (70283695)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 心臓超音波 / 心筋運動 |
研究実績の概要 |
心疾患はじめ各種疾患の治療・管理に、心臓超音波検査による心筋運動異常の診断は重要である。しかし、超音波動画像から心筋運動異常を的確に診断するには、適切な画像描出と熟練医による診断が必要である。近年、人工知能(AI)を活用し、深層学習(ディープラーニング)に基づく医用画像診断支援システム開発が行われている。超音波動画像にAIを活用することで、熟練医相当の心筋運動異常の診断が可能と期待される。しかし、心筋運動異常の診断は、動画像で行う必要があるため、動画像を用いた学習が必要となる。今回の研究では、心臓超音波法動画像から、AIを活用したコンピューター診断支援システムを開発し、そのシステムを用いることで、熟練医相当の心筋運動異常の自動診断が可能か検討することを計画した。研究代表者の施設で保存されている心臓超音波デジタル動画像ファイリングから、心筋運動評価に適した画質と判断された心尖部3断面の心臓超音波動画像を解析用画像として、心筋を16分画に分け、各分画の心筋運動をスコア化による心筋運動評価を行い、解析データとして準備した。これらデータを用いて、ディープラーニングに基づく各分画の心筋運動自動解析アルゴリズムの開発を試み、現在までに、心尖部1断面6分画について、心筋運動自動解析アルゴリズムを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で緊急事態宣言も出されたような状況で、研究代表者と分担研究者の施設での業務が影響受け、双方の対面での会議も困難となり、研究開始自体が遅れ、共同での研究遂行のための準備に時間を要した。また、保存されている心臓超音波デジタル動画像ファイリングから、心筋運動評価に適した画質で記録されている心尖部3断面の心臓超音波動画像を準備するのに、予想以上に時間を要した。これは、心尖部3断面で描出される心筋16分画全てで、解析用データとして用いることができる画質で記録されている例が、予想より少ないことによるものであった。
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今後の研究の推進方策 |
まずは1断面6分画に関して心筋運動自動解析アルゴリズムの完成を目指す予定である。それが完成した後に、2断面10分画についても、解析用の心臓超音波動画像をもとに心筋運動自動解析アルゴリズムを作成し、最終的に、心筋16分画の心筋運動自動解析アルゴリズムの完成を目指す。追加の解析用の心臓超音波動画像については、その準備時間を短縮するために、心尖部3断面での16分画全ての画質が学習データとして適していなくても、解析用画像として採用する方法に変更する予定である。採用条件としては、心筋運動解析用画像として適していな分画が1断面で1分画までであれば可として、画像データの準備時間の短縮を図っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、コロナ禍で緊急事態宣言も出されたような状況で、研究代表者と分担研究者の施設での業務が影響受け、双方の対面での打ち合わせも困難となり、研究開始自体が遅れ、共同での研究遂行のための準備に時間を要したため、解析に必要なデータの準備が遅れ、それに伴い、それに関連する物品の購入が予定より遅れてしまった。今年度は、研究の遅れを取り戻すべく、データ準備を急ぎ、それに関連する物品を早めに購入する予定である。また、分担研究者との対面での打ち合わせや、学会出張が困難となったため、旅費の支出がほとんどなくなってしまった。その分、ウェブでの学会参加費用やリモートでの分担研究者との打ち合わせを円滑に行える環境整備費として使用を予定している。
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