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2021 年度 実施状況報告書

骨格筋環境に対する音響学的識別指標の創生:健康寿命延伸へ向けた技術開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K12676
研究機関順天堂大学

研究代表者

丸山 紀史  順天堂大学, 医学部, 准教授 (90375642)

研究分担者 吉田 憲司  千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (10572985)
山口 匡  千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (40334172)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードサルコペニア
研究実績の概要

2021年度はサルコペニア動物モデルでの検討を行った。
1)筋肉のCT値の検討:STAMマウスと高血圧自然発症ラットではコントロールに比べて低値(有意差なし)であり、サルコペニアによる筋組織への脂肪沈着を反映したものと考えられた。しかし画像の分解能が十分でないため筋肉の輪郭抽出が容易でなく、Referenceとしての皮下脂肪の抽出も困難であった。小動物におけるCT検査の限界と考えられた。2)体外走査超音波所見の検討:コントロールと疾患モデル動物間で、筋肉の所見に相違を認めなかった。小動物における、臨床例向け周波数条件下での体外走査超音波検査の限界と考えられた。3)血液検査:中性脂肪、コレステロール、インスリン抵抗性(HOMA-IR)は、コントロールに比べSTAMマウスで有意に高値(p<0.01)であった。高血圧自然発症ラットとコントロールでは、有意差を認めなかった。4)筋組織の検討:STAMマウスでは、12週より16週齢のモデルで、また非担癌モデルに比べ担癌モデルで、筋肉における線維化、筋萎縮、脂肪沈着を強く認めた。同様に高血圧自然発症ラットにおいても、コントロール(WKY)に比べて高度の線維化、筋萎縮、脂肪沈着を認めた。5)音響学的特性計測:コントロールでは、筋肉の大部分がインピーダンス1.75未満であった。一方、癌合併マウスあるいは高血圧ラットの筋肉は萎縮と線維化・脂肪化を伴っており、1.76以上の高インピーダンス域が優位であった。このように、インピーダンスは筋肉における組織学的変化の差を反映しておりサルコペニアの検出に有用なパラメータであることが示された。なお音速については、コントロールに比べて担癌モデルで低い傾向を示したが有意な差は認められず、今後の検討を要すると思われた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定どおりに実験が進んでいるため。

今後の研究の推進方策

まず2型糖尿病モデルラットを用いて、糖・脂質代謝異常の有無・程度ならびに筋肉における超音波信号を計測する。そして、摘出筋組織での脂肪化・線維化の有無・程度を検討し、筋肉組織変化に対応した超音波信号の特徴を同定する。最終的に、これまでのデータを包括的に検討し、筋肉の質的変化を判定する定量的音響情報を画像(骨格筋音響マッピング)へと展開する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] サルコペニアの早期評価に向けた多種組織の音響特性評価の基礎検討2022

    • 著者名/発表者名
      橋本明楽、大澤侑暉、平田慎之介、吉田憲司、丸山紀史、山口匡
    • 学会等名
      日本音響学会2022年春季研究発表会
  • [学会発表] 臓器不全マウス・ラットにおける多種組織の音響インピーダンス評価2021

    • 著者名/発表者名
      橋本明楽、大澤侑暉、平田 慎之介、吉田憲司、丸山 紀史、山口 匡
    • 学会等名
      日本音響学会2021年秋季研究発表会

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公開日: 2022-12-28  

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