研究課題
複数のトレーサーを同時イメージング可能なPET装置(Multiple-isotope PET(MI-PET))に有用なアプリケーションを開発するために、2核種同時イメージング実験を進めた。糖代謝の増加を可視化することで広くがん診断が可能なF-18-FDGと、特定のがんに集積するDOTA-TATE(加速器により製造したMI-PET用核種Sc-44mで標識)を、がん疾患モデルマウスに同時投与し撮像を行った。その結果、2種類のトレーサーのがんへの数分毎の集積差の動態をMI-PETにより画像化することに成功した。これにより、実験動物の個体差・状態の違いによる影響を排除した、複数の薬剤の直接比較を行うことが可能であることを実証した。また高精度の画像を得るために、2核種同時イメージングの画像再構成法の開発も行った。さらに、MI-PET使用の利便性を高かめるために、MI-PET用核種であるSc-44について、Ti-44を親核としたジェネレータの製造を進めた。その結果、小動物実験数回に分に相当する、5 MBq程度のTi-44/Sc-44ジェネレータの製造に成功した。これにより、RI製造用の加速器がない環境においてMI-PETを利用する体制が整った。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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