研究実績の概要 |
当初の計画に沿って3年目もコロナ禍のため、救急現場の混乱もあり、研究は難航した。当施設では年間脳梗塞症例が約800例あり,そのうち経静脈的血栓溶解療法は年間116例,機械的血栓回収療法 は年間106例あった。今まで以上にCT造影灌流画像の有用性が高まり,撮影した症例が970例に増え,急性期の再灌流療法の適応に検討された。
本研究で虚血性コアをCT造影灌流画像を測定することにより、MRIの拡散強調画像と同等に急性期の梗塞巣が評価できるため、急性期の広範梗塞における再灌流療法の有用性を発表することができた(Yoshimura S, Sakai N, Yamagami H, Uchida K, Beppu M, Toyoda K, Matsumaru Y, Matsumoto Y, Kimura K, Takeuchi M, Yazawa Y, Kimura N, Shigeta K, Imamura H, Suzuki I, Enomoto Y, Tokunaga S, Morita K, Sakakibara F, Kinjo N, Saito T, Ishikura R, Inoue M, Morimoto T. Endovascular Therapy for Acute Stroke with a Large Ischemic Region. N Engl J Med. 2022 Apr 7;386(14):1303-1313.)。世界初の広範梗塞における血管内治療の有効性を示したランダム化比較試験として、今後統合解析などを予定している。
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