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2023 年度 実施状況報告書

医療情報データを利用した薬剤疫学研究におけるバイアス解析法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 20K12709
研究機関横浜市立大学

研究代表者

竹内 由則  横浜市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (40780341)

研究分担者 隈丸 拓  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00511461)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード薬剤疫学 / アウトカム誤分類 / 欠測データ解析 / 医療情報データベース / 統計的因果推論
研究実績の概要

本研究課題の主題である薬剤疫学研究における新規バイアス解析法として、欠測データ解析手法をアウトカム誤分類に適用することで、作業モデルの誤特定にロバストなバイアス補正法をの開発を引き続き行い、シミュレーション実験を行った。その結果、一般化線形モデルを推定に用いる場合について、ほぼ理論通りの頑健性を確認できた。課題であった実際のバリデーション研究のデータが利用可能となり、preliminaryな提案法の適用を行った。本成果について2024年8月にベルリンにて開催される国際薬剤疫学会 (ICPE 2024) に発表予定である。
関連する研究課題として「非曝露対照の薬剤疫学研究における自己対照研究手法の有用性」を評価するため、レセプトデータに対する禁煙薬バレニクリンの心血管系リスク評価を事例研究として行った。その結果、自己対照研究手法を用いることで、これまで医療情報データを用いた通常の薬剤疫学研究では評価が困難とされてきた、非曝露を対照としたバレニクリンの心血管系リスク評価について、既存のランダム化比較試験と同様の結果を得ることができることを示した(Yokohama et al., 2023)。また、効率的なコホートサンプリング手法であるコホート内症例対照研究デザインにおいて、ほとんど検討されてこなかった時間依存性治療効果の因果効果推定手順を提案した。提案法を用いることで、サンプリング前のコホート研究と同等の推定値を得られることをシミュレーション実験により示し、実際のレセプトデータを用いて、脂質異常症治療薬スタチンによる心血管系リスク低減効果を評価した(Takeuchi et al., 2024)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概要に記載の通り、実際のバリデーション研究のデータが利用可能となったことで、方法論の開発が大きく進展し、2024年度中に成果公表を行う予定である。さらに、関連研究として2論文の公表も行ったことから、研究課題はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

一般化線形モデルに対する、作業モデルの誤特定にロバストなバイアス補正法について学会発表を行うほか、2024年度中の論文投稿を目指す。また、生存時間解析を行う場合のアウトカム誤分類補正法について開発を試みる予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症流行の影響から、研究計画全体としては遅延しており、旅費や論文公表にかかる経費の支出が遅れている。2024年度はこれらの支出を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Estimation of the causal effects of time-varying treatments in nested case-control studies using marginal structural Cox models2024

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi Yoshinori、Hagiwawa Yasuhiro、Komukai Sho、Matsuyama Yutaka
    • 雑誌名

      Biometrics

      巻: 80 ページ: ujae005

    • DOI

      10.1093/biomtc/ujae005

  • [雑誌論文] The utility of the self‐controlled study design for pharmacoepidemiological studies without an active comparator medication using a medical information database: An application to assess the risk of varenicline on cardiovascular outcomes2023

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama Ryo、Takeuchi Yoshinori、Kumamaru Hiraku、Matsuyama Yutaka
    • 雑誌名

      Pharmacoepidemiology and Drug Safety

      巻: 32 ページ: 1068~1076

    • DOI

      10.1002/pds.5634

  • [学会発表] Doubly robust g-estimation of structural nested cumulative survival time models with non-ignorable, non-monotonic missing data in time-varying confounders2023

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi Y, Komukai S, Goto A, Shinozaki T
    • 学会等名
      European Causal Inference Meeting 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 欠測を伴う時間依存性交絡の存在下における構造ネスト累積生存時間モデルの二重ロバストg推定2023

    • 著者名/発表者名
      竹内 由則, 小向 翔, 後藤 温, 篠崎 智大
    • 学会等名
      2023年度統計関連学会連合大会

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公開日: 2024-12-25  

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