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2021 年度 実施状況報告書

小児気道狭窄性疾患の評価のためのOCT(光干渉断層撮影)機器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K12712
研究機関神戸大学

研究代表者

尾藤 祐子  神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (60719003)

研究分担者 大片 祐一  神戸大学, 医学研究科, 助教 (40597217)
冨岡 雄一郎  神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70836428)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードOCT気管用プローブ / 小児気道狭窄性疾患
研究実績の概要

計画書では「2020年~2022年度に既存の論文や冠動脈・眼科用に販売されているOCT(光干渉断層撮影)を参考にして、気道用のOCTプローベを作成する。設計・製造はシステムズエンジニアリング社と共に行う。」としたが、システムズエンジニアリング社が本研究を中止したため、
2020年7月21日に産業技術総合研究所(以下産総研) センシングシステム研究センター、広域モニタリング研究チームと共同研究契約を新たに締結した。OCTプローブの試作を産総研に依頼してOCT画像の撮影を試みた。その結果、試作したOCTプローブは当初期待した性能には及ばず動物組織での撮影が困難と判断した。産業技術総合研究所と複数回研究ミーティングをもち話し合った結果、企業側の予算が限られるためこれ以上のOCTプローブ開発は困難との結論に至った。
そのため研究計画を見直し、新規プローブの開発は行わず、既存のOCTプローブを用いて気道への適応拡大を目指す方針に変更した。既存のプローブとしては血管病変診断用のテルモ社のOptical Frequency Domain Imaging (以下OFDI)、ファーストヴューおよびルナウェーブ(いずれも商品名)を使用する方針とした。
予備実験としてブタの切り出し喉頭気管組織において撮影を行ったところ、既存の血管用OCTプローブを用いて気管全周の約1/3周の撮影が可能であるという結果が得られた。また画像の深達度としては気管軟骨を十分に撮影範囲に含めることが可能であった。プローブの気管内への導入方法について検討を行ったところ、臨床で使用する硬性気管支鏡により気管内へ既存のOCTプローブを誘導したうえでマーキングされた組織を撮影することが十分に可能であることが確かめられた。このことから、気管内の撮影にOFDIが適している可能性を認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

小児気道狭窄性疾患の評価のためのOCT(光干渉断層撮影)プローブ開発は断念し、血管用OCTシステムであるテルモ社のOptical Frequency Domain Imaging (以下OFDI)を用いて気道の撮影を行うことを目標としている。現在までに、予備実験として、OFDIを用いてブタの切り出し正常喉頭気管組織の撮影を複数回行った。
OFDIのカテーテルであるファーストヴュー(商品名)を気道内に誘導する際に、硬性気管支鏡や軟性気管支鏡や挿管チューブを通して誘導する方法を試験した。硬性気管支鏡が最も気道内に誘導する際に操作性が優れており、マーキングした気道の観察部位を適切に撮影範囲内にとらえることが可能であった。また組織評価のための深達度も、気管軟骨を越えて十分に撮影範囲に含まれ、組織評価が可能であることを確認した。

今後の研究の推進方策

計画書では「2020年~2022年度に既存の論文や冠動脈・眼科用に販売されているOCTを参考にして、気道用のOCTプローベを作成する。設計・製造はシステムズエンジニアリング社と共に行う。ホワイトラビットの正常気道を切り出し、開発したOCTによる撮影を行う。プローベのアプローチ方法の適正や得られた画像が気道観察に適しているかの検討を行い、プローベや設定の改良を行う。」と記載している。
OCTプローブの開発には当初システムズエンジニアリング社と共同で行う計画であったが、システムズエンジニアリング社が本研究を中止した。そのため新たに産業技術総合研究所と共同研究契約を締結して開発を試みたが技術的・資金的な問題のため、プローブの開発を断念した。
研究計画として、OCTプローブそのものの開発ではなく、既存のOCT技術の適応拡大を目指す方向に方針転換を行った。現在までにテルモ社の血管内Optical Frequency Domain Imaging (以下OFDI)システム、ファーストヴューとルナウェーブ(いずれも商品名)を用いて動物の切り出した正常喉頭気管組織での撮影を試験的に行い、操作性や撮影範囲などの確認の実験を行っている。
今後は、OFDIを用いてホワイトラビットにおける喉頭気管狭窄モデル動物の気道の撮影を行い、生体における気道検査としての安全性および有効性を評価する。まずは詳細な動物実験によって、OFDIを用いた気道検査の安全性と有効性を十分検討する。その後、臨床試験への応用へとつなげていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により出張が不可能となり、予定していた旅費を使用しなかった。また、研究計画方針の変更により、プローブの新規作成を施行しなかったので、予定した物品費も次年度の動物実験に当てることになった。

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公開日: 2022-12-28  

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