研究課題/領域番号 |
20K12718
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
今井 寛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60719839)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 下腿義足 / 歩行解析 |
研究実績の概要 |
1.データの収集:研究前のパワーアナリシスから算出された55例を目標に60例に対して動作解析を行った。除外症例を除く58例をのデータを収集することができた。 2.データの解析:患者の前額面における歩行を撮像し、立脚初期、中期および後期における下腿傾斜角(MAA)、立脚中期におけるチューブの地面に対する傾斜角を計測した。立脚中期におけるMAAおよびチューブの傾斜角が多峰性を示すか検討した。また、多峰性を示した場合、各群間における患者の特徴に差があるかを解析した。立脚中期における前額面のMAAおよびチューブの傾斜角は0度を中心に二峰性を認めた。立脚中期におけるMAAが0度未満と0度以上の群で義足の使用期間に有意な差を認めた。立脚初期から中期の下腿傾斜角の変位量は、立脚中期の下腿傾斜角が0度未満の症例で3.3±2.2度、0度以上の症例では3.1±2.3度であった。立脚初期と中期の下腿傾斜角との間で、下腿傾斜角0度未満群で強い相関を、0度以上群で相関を認めた。 3.学会および論文への発表:上記研究の成果に関して、第38回日本義肢装具学会で発表予定である。また、Prosthesis Orthisis Internationalに投稿中である。 4.その他:生活期における大腿義足の歩行パターンおよびリハビリテーションによって歩行パターンが改善するかについての初期研究として、簡易動作解析装置を用いて評価した。簡易動作解析装置によって容易に大腿義足患者の歩行パターンを解析することができることが判明するとともに、リハビリテーションの介入によって歩容が改善することが判明した。本研究の成果を第37回日本義肢装具学会で報告するとともに、日本義肢装具学会誌に論文を投稿し掲載予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パワーアナリシスから導き出された症例数には到達しており、データ解析においても有意な結果が出たことから、当初の実施計画通りに進んでおり、本研究課題の進捗状況は、予定通りの進捗状況と考える。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度までに蓄積したデータをもとにソフトウェアデバイスの開発を行う予定である。ソフトウェアの開発に6か月近くかかることが予想されるため、完成したソフトウェアの精度や再現性に関して、10月以降に検証を行っていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度のソフトウェア開発にかかる予算を検討したところ、約250万円を要することが判明したため、本年度は研究費を使用せず、次年度へ繰り越すこととした。
|