研究課題/領域番号 |
20K12719
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研究機関 | 純真学園大学 |
研究代表者 |
片山 雅史 純真学園大学, 検査科学科, 教授 (20735245)
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研究分担者 |
高野 吉朗 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (20439574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サルコペニア / 筋電図 / 超音波 / 運動習慣 / 筋放電-負荷指数 |
研究実績の概要 |
研究開始時の目標は、筋電図と超音波画像による評価がサルコペニア、フレイル診断に寄与できるか否かであり、実際に多数の高齢者に対して実施して、被験者の状況と照らし合わせながら観察する予定であった。しかし、covid19感染が蔓延しており、高齢者施設への出向がかなわず、また募集することも憚られており、記録はほとんど実施できていない。測定方法の改良は、様々な肢位で記録し、大腿直筋の状態を最も反映すると思われる姿勢や課する負荷の重量や方法などはほぼ定着した。評価の数値化も安定しており、外れた値を示す例については、生活習慣などの背景を詳細に聴取することにより、その理由も明らかになってきた。結果の精度については、幅広い年齢層の正常対照を記録することによって、筋力低下がない群の分布範囲は把握できてきており、高齢で異常な筋力低下を示す群との比較は可能な状況にある。 さらに、筋力が低下した対象の計測ができなかった代わりに、逆に筋力を増強させた場合や、ある特定の筋が発達するようなスポーツなどを習慣的に実施している対象について、その特徴を観察している。日常的な動作や運動で、短期間で筋の増大など、形態的な変化の期待が薄いことから、とくに筋電図について、筋力の発揮能力を示す可能性がある指標を設定し、ダイナペニア対象でも進めていく予定である。超音波による筋の観察は、最も安定していた周囲長のみとし、明瞭な変化の有無のみを確認しながら、筋電図の評価を実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
測定法については、安定してきているが、感染蔓延のため、筋力低下を示す高齢者の計測ができていない。 感染の収束を待つ予定である。
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今後の研究の推進方策 |
筋力の段階的な変化は、低下と増強は直線的であると予想している。筋力低下群の記録が難しい以上、実施不能な間には筋力が増強した場合の変化を観察していく。 筋の肥大が期待できる程度の高負荷は、全ての対象での実施は考えていないため、筋電図による、筋力発揮能力の評価を進めていく予定である。 それに伴い、今後の評価対象を機能的・形態的な筋の異常を示すサルコペニアのみではなく、形態的な異常は認められず、筋力低下を呈するダイナペニアに推移させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会の開催形式が、webやハイブリッドとなり、旅費が発生しなかった。 次年度以降に、参加予定である。
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