視野検査は視覚情報の伝達過程を反映するため、眼科臨床において重要であるが、これまでは自覚検査のみであった。対光反射による瞳孔視野計が、他覚的視野評価法として確立されれば、自覚応答が困難な症例でも視覚情報の正確な評価が非侵襲かつ簡便に可能となる。また、外界情報の80 %以上を担う視覚情報の正確な評価によって、患者や家族が抱える身体的・精神的な苦痛の軽減、社会活動を含めた生きがい、満足度といったquality of lifeの向上につながることや、視野異常を来たす病態の鑑別として、眼底やMRIなどの検査を追加する必要がなくなるため、患者の負担軽減や医療費の削減が期待される。
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