研究課題/領域番号 |
20K12734
|
研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
寺西 利生 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (90387671)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 歩行分析 |
研究実績の概要 |
運動麻痺が残存する脳卒中者の歩行再建のゴールは、健常者が行う歩容と同一ではなく、麻痺状態に最適化された代償を含む新しい歩行様式である。しかし、麻痺肢立脚の再建には、下肢装具が使用可能で有用であるが、遊脚の足先クリアランスの再建には、何らかの代償動作が必須である。しかし、どの様な代償方略が良いのかについては十分なコンセンサスがない。 本研究の目的は、片麻痺患者の歩行時麻痺側遊脚時の代償方法について、臨床におけるその実態を明らかにすること(2020年度)、他覚的好まれる代償方法の調査(2021年度)、代償戦略とエネルギーコストについて検討すること(2022年度)である。 本年度は、片麻痺者の麻痺側クリアランスと松田らの示したその構成要素の4分類a) 麻痺側下肢の短縮、b)麻痺側骨盤挙上、c)麻痺側股関節外転、d)非麻痺側の伸び上がり、を参考にして類型化し寄与率を算出し片麻痺患者の遊脚がどのように作られているかを知ることであった。研究計画の倫理審査は、phase1 (2020年度内容) およびphase2 (2021年度内容)までの項目で承認を得た。本年度は、対象となる回復期リハビリテーション病棟退棟時の3次元動作解析装置による歩行計測データから、脳卒中患者のデータを抽出し、歩行障害がごく軽度のもの、歩行に影響する脳卒中以外の疾患を合併した症例の除外を行い対象となる症例を絞り出した。現在、抽出された対象者の歩行時3次元位置情報から麻痺脚クリアランスの構成要素の算出および解析を行なっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大による非常事態宣言発出に伴い、研究フィールドへの立ち入り制限が掛かり、研究データの解析が半年ほど停止したため、解析に遅れが生じています。2020年度内に、遅れを取り戻すように研究データの解析時間の増強を図ったが、2020年度内には十分に取り戻すことは出来なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
研究フィールドへの出張を増加するように計画している。データ解析時間を増強し、遅れを取り戻すべく、研究を行なっている。さらに、3年目のphase3で行う内容の倫理審査を先倒しして3年目の内容も早めに着手できるようにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大による緊急事態宣言の発出により、研究フィールドへの立ち入り制限が発生し、研究に遅れを生じてた。それに伴い、予算の執行が遅れいてる。また、呼気ガス分析装置の整備に費用がかかる見込みが発生したため、予算執行を遅らせている。
|