研究課題/領域番号 |
20K12736
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
藤澤 正一郎 徳島文理大学, 理工学部, 教授 (50321500)
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研究分担者 |
河田 淳治 徳島文理大学, 理工学部, 講師 (00248329)
森本 滋郎 徳島文理大学, 理工学部, 准教授 (40309696)
伊藤 伸一 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (90547655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 視覚障害者 / 誘導支援 / 発光ブロック / 視認性 |
研究実績の概要 |
今回の実験は弱視者への支援の際の最適な点滅方法を求めることを目的に実施した.弱視者への支援はより視認性の強いものが望ましいが,実際公共の施設に目がチカチカするような点滅を導入した場合,周りの健常者の不快感を誘発しかねない.例えば,横断歩道入口に点滅周期が速い1Hz程度の点滅光を導入した場合,ドライバーの視界にも入り,ドライバーに不快感やよそ見を誘発することになり,場合によっては事故を引き起こす可能性もある.著者らが考える支援に用いる点滅光の理想は,ある程度覚醒度が確保できており,尚且つ不快感を誘発させないものであると考える.この条件をもとに今回は,国土交通省の定める道路の最低照度20Luxの暗室で,周期2~4秒の単純点滅とフェーズインフェースアウト点滅の12種類の点滅パターンを健常者26名の官能評価で評価を行った.評価項目は,点滅光の刺激の強さ,視認性,不快感の3つである.視認は晴眼と弱視を想定した疑似弱視ゴーグルによる2種類を行った.官能評価で得られた評価値から点滅周期2秒で消灯時間2秒のフェードイン・フェードイン型のパターンが最も効果的な点滅パターンであることが分かった.その理由は,健常者と弱視者の官能評価から得られた刺激の強さは全体で5番目の強さでありながら,評価から得られた視認性は他の点灯方法と負け劣らず高かったからである.ある程度視認性が確保できており,尚且つ不快感を誘発させない点滅方法であるといえる.今回の実験の周期範囲内では,点滅方法としてはフェードイン・フェードアウトの点滅が有効であることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の中でもコロナ対策を十分に施し26名の被験者実験を行い,1年目の研究成果を収めることができた.特にコロナ対策として暗室の吸排気による強制換気と紫外線空気清浄機の設置と被験者実験時のマスク着用を徹底して行った.
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定は,今回実施した発光パターンの周期とは別の周期の範囲で検証を行い,最適な発光パターンを見つける検証を実施予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
少額の残額は次年度の被験者実験として活用する予定.
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