研究課題/領域番号 |
20K12748
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
仲嶋 一 福山大学, 工学部, 教授 (80542068)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音源分布像 / 行動推定 / 介護ベッド / 深層学習 |
研究実績の概要 |
第1ステップとして、試作した対向マイクロホンアレイからの信号の残響等を高速で処理するため本基金でワークステーションを購入し、周辺機器、処理ソフトウエアを実装する作業を行った。実用化を前提として、ベッドのヘッドボードとフットボードの各々に4個の超低雑音小型コンデンサマイク素子を自作した低雑音プリアンプ基板に実装してアレイ上に配置した。各プリアンプからの音響信号は既保有品である高速ADコンバータを介してワークステーションに取り込むデータ収集系を構築した。以前より音源位置とその移動の認識のための2次元音源分布像の構築方法の検討を行っており、これまでに検討している相関行列を用いる手法に加えてビームフォーマまたは部分空間法の適用も検討中である。 一方、認識系に関してベッド上を患者が移動する擦過音の取得を行い、弁別能力に対する基礎的な検討を行っている。アプリケーションとしてMatLab及びPythonを採用し、公開されている各種音源に取得した各種擦過音、例えば、布と布、布と肌、肌と肌といった擦過音を加えて擦過音とその他の音響、および異なる物体での擦過音の弁別が可能かどうかの基礎検討を行った。その結果、擦過音をその他の音響データでは97%以上、擦過物の異なる擦過音間でも67%程度の弁別が可能との見通しを得た。本検討には未だ音源の位置や移動の情報が加えられておらず、上記の対向マイクロホンアレイにより得られる位置情報を含む音響信号との連成が今後の実施項目となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたDSP信号処理装置が購入できず、安価に購入できるWorkStation による代替を行った。この代替に伴う作業が発生し、若干の遅れが発生した。しかしながら、その遅れは大きくなく、今後挽回の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2次元の音源像のどの情報を深層学習させると有効な学習と推定ができるかを見出すことが重要な課題であり、今後試行を繰り返しながら最適化を図っていく。その中で、計画の通り、学習・検証データ取得用のビデオと連携したデータ収集系の構築も行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
認許予算の関係で計画時の信号処理装置の購入ができなかったため、ワークステーションを代替として購入し、その差額が発生した。また、新型コロナ禍の影響もあり学会発表旅費を使用しなかった。 2021年度は複数の学会発表を行う計画である。また、学習用データ収集系を構築する計画であり、それら資金とする。
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