研究課題/領域番号 |
20K12749
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
木澤 悟 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90234202)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バイオメカニクス / リハビリテーション / ロボット / 福祉工学 |
研究実績の概要 |
本研究は片麻痺者の上肢リハビリにおいて,療法士に代わって支援するロボットを開発した.さらに,回復期の長期にわたるリハビリテーションにおいてモチベーションを維持して継続的反復的なリハビリを可能にするためにのソフトウエアを含めたリハビリテーションシステム開発を行うものである.本年度は,VR(Virtual Reality)を用いて上肢の機能改善のための新たなリハビリテーションアプリケーションを構築した。開発しているアプリケーションは秋田大学医学部,付属病院,理工学部,秋田高専,さらに秋田県内の企業との研究会の協力を得て開発している.入手し易いようにゲームに利用されている市販のVR用ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用い,利用環境にも配慮してノートPCクラスで適用できるように開発した.本VR用アプリケションは,脳梗塞等による片麻痺患者を対象にしており,秋田大学医学部付属病院の臨床応用の要求に応えるべく内容のアプリケーションを構築している.VRの技術を用いて,患者は実際に現実のロボットを操作しているが,同時にHMD内の仮想現実のなかでも患者が操作しているロボットが表示され,現実の世界を仮想現実の世界に取り込むことで,ロボット動作の軌跡を映像の中で確認できる.さらに,例えばモグラたたきのようなゲーム性のあるリハビリテーションも可能にし,目標とするアプリケーションの機能は十分に構築できている.また、本研究で開発したアプリケーションは、現在,健常者を対象として、VR酔いの評価およびユーザビリティの評価を実施した。その結果、仮想現実における映像酔いが若干見受けられたが、従来の前面にあるモニターを見ながらのリハビリテーションアプリケーションと比べて、高い興味性および満足度など高いユーザビリティを示した。この成果を国内学会にて1件発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画は主にロボットの構築および制御であり,本年度はリハビリテーションアプリケーションのうち,VR(Virtual Reality)に特化した開発であり,計画通りに推移している.従来の現実世界において,モニター上に映し出されるリハビリテーションメニューと同等の機能もVR上でも構築出来ている.しかし,現在,ロボットの位置情報の取得には位置センサとしてHTC製のVIVE Trackerを利用しているが生産中止となったため,新しいバージョンの位置センサに対応したアプリケーションソフトウエアの作り込みの対応と変更が課題となっている.センサ機器の切り替えにより完全な位置センサの載せ替えには至っていないが,ほぼ代替の技術の見通しが立っている状態であり,おおむね順調に研究は進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究でVR(Virtual Reality)に特化したリハビリテーションアプリケーションを概ね完成させた.今後は,複合現実(Mixed Reality; MR)を用いたリハビリテーションアプリケーションづくりを進める.シースルーのHMDとして一般に市販されているMicrosoft社のHololens2を用い,モニタ用のアプリケーションおよびVR用のアプリェーションと同等の機能を構築する.その後,モニター版,VR版,MR版の3種類のリハビリテーションアプリケーションのメリット,デメリットを患者を対象として調査をする予定である. 今年度も新型コロナ感染症の影響で、現地での発表は厳しいので、研究成果はリモートで参加・公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)コロナ感染症のため,学会等の出席等を控えたため,旅費等に残額が生じた.そのため,学会参加費等の残高も生じた. (使用計画)今年度もコロナ感染症は収束が難しい状況なので,旅費等の残額分は,新規の位置センサおよびVR機器を購入してリハビリテーションアプリケーションとロボットシステムの開発に充当することを考えている.
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