| 研究課題/領域番号 |
20K12756
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| 研究機関 | 九州大学 |
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研究代表者 |
中島 康貴 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00632176)
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| 研究分担者 |
山本 元司 九州大学, 工学研究院, 教授 (90202390)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 順動力学シミュレーション / 安定領域 / 重心位置 / 重心速度 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では，転倒を引き起こすような強い外乱として刺激（以下，転倒刺激とする）を与えることで滑り転倒現象を再現し，その際の回避動作の解析結果に基づいた新たな転倒リスクの評価を目指している．特に本研究では，各個人で異なる身体機能が滑り転倒時の回避動作戦略に与える影響について，身体機能を制限した滑り転倒実験による解析とその実験結果に基づいて構築した滑り転倒回避動作モデルを用いた理論解析の両者を用いてアプローチし，個人ごとの回避動作戦略に最も寄与する身体機能を特定することで，回避動作戦略のメカニズムを明らかにし，それに基づく新たな転倒リスクの評価を目的としている．
今年度は，前々年度までに構築した滑り転倒刺激時の回避動作を表現した順動力学シミュレーションを用いて得られた動的安定性の結果と，前年度に得られた身体機能の一部として下肢の膝関節の可動域を制限した状態で，滑り転倒刺激を付与した際の動的安定性の実験結果を比較し，シミュレーションの妥当性について検討を行った．研究手法として，順動力学シミュレーションと滑り転倒刺激実験の両方を実施し，その際の安定領域を比較した．ここでの安定領域とは，転倒刺激に対して転倒が回避された姿勢（滑り足を踏み直した際の重心の位置や速度など）の集合を表している．両者を比較した結果から，重心位置の変化が比較的小さい範囲において，順動力学シミュレーションの安定領域と滑り転倒刺激実験の安定領域が一致する傾向が確認された．この結果より，本研究で構築した滑り転倒刺激時の回避動作を表現した順動力学シミュレーションは，重心位置の変化が比較的小さい範囲において，実際の滑り転倒実験を模擬できている可能性が示唆された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は，前年度に検討することができなかった，滑り転倒刺激時の回避動作を表現した順動力学シミュレーションの妥当性の検討を行った．こちらの内容は最終的に実施することができたが，前年度までと同様に，新型コロナウイルスによる影響を受け，身体機能の一部として下肢の膝関節の可動域を制限した滑り転倒実験の実施が遅れたため，順動力学シミュレーションの安定領域の比較による，順動力学シミュレーションの妥当性の検討に予定より多くの時間を要した．その結果，終盤に予定していた，個人ごとの回避動作戦略に寄与する身体機能の特定や，回避動作戦略のメカニズムの検討を行うことができなかった．
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度実施した結果より，本研究で構築した滑り転倒刺激時の回避動作を表現した順動力学シミュレーションは，重心位置の変化が比較的小さい範囲において，実際の滑り転倒実験を模擬できていることが確認されたため，次年度は，こちらの順動力学シミュレーションを用いて，身体機能の一部として下肢の膝関節可動域を制限した際に，転倒刺激に対して転倒が回避された姿勢（滑り足を踏み直した際の重心の位置や速度など）の集合がどのように変化するか，また，安定性がどの程度下がるか調査を行い，個人ごとの回避動作戦略に寄与する身体機能の特定や，回避動作戦略のメカニズムの検討を行う．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
前年度までと同様に，新型コロナウイルスによる影響を受け，身体機能の一部として下肢の膝関節の可動域を制限した滑り転倒実験の実施が遅れたため，順動力学シミュレーションの安定領域の比較による，順動力学シミュレーションの妥当性の検討に予定より多くの時間を要した．その結果，終盤に予定していた，個人ごとの回避動作戦略に寄与する身体機能の特定や，回避動作戦略のメカニズムの検討を行うことができなかった．次年度は，こちらの順動力学シミュレーションを用いて，身体機能の一部として下肢の膝関節可動域を制限した際に，転倒刺激に対して転倒が回避された姿勢（滑り足を踏み直した際の重心の位置や速度など）の集合がどのように変化するか，また，安定性がどの程度下がるか調査を行い，個人ごとの回避動作戦略に寄与する身体機能の特定や，回避動作戦略のメカニズムの検討を行う．
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