研究課題
基盤研究(C)
成人期脳性麻痺患者や高齢者は、体幹や骨盤運動の困難さから努力性の運動になりやすく、リーチ距離の減少や操作性の低下が生じやすい。これに対するアプローチとして我々は、体幹と骨盤の位置関係を変えずに前傾かつ前方に座面が移動する椅子を考案した。更にその椅子の動きを半自動化するためにアクチュエーターを備えたマイクロスイッチを組み込み、対象者の僅かな身体運動を契機に椅子が可動する仕組みについて検証を行った。最終的に、本研究では基礎データの計測から電動で動く椅子の速度、最大前傾角度を設定することができた。
リハビリテーション
本研究で作製したような構造をもつ椅子について、将来的にはリハビリテーションの訓練場面や対象者の生活場面での使用を想定している。体幹バランス機能の低下や下肢筋力の低下など様々な症状を持つ対象者に対する効果的な訓練椅子、生活椅子として使用できるよう、さらなる改良を加えていきたい。具体的には、角度変化や荷重データをリアルタイムに取り込める工夫や、姿勢保持に必要な装備を検討する必要があると考えている。