研究課題/領域番号 |
20K12789
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
縣 由衣子 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師(非常勤) (30847869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ミシェル・セール / 複数性 / エコロジー / 自然概念 / 所有論 |
研究実績の概要 |
2023年度は研究代表者本人の妊娠及び出産があったため、研究は当初の予定通りには進まなかった。従って本年度の研究は国内で収集可能な資料の読解に基づくミシェル・セールの研究を中心に行われた。この研究の成果として、1本の論文の刊行(予定)を行うことができた。 まずは、2022年に執筆した慶應義塾大学教養研究センター研究事業文理連接研究会主催で編纂された論考集『連接』が刊行され、寄稿した研究論文「ミシェル・セールの『自然契約』における自然概念とエコロジー」が掲載された。本論文は研究会の2年間の活動の成果として、セールの『自然契約』(1990)において論じられる自然概念の今日的有効性について論じた。その中でも特に、契約概念について注目して「自然契約」という理念を検討し直すとともに、セールにおいて統一的でも複数的でもある自然概念について解き明かすことを試みた。 さらに2023年度に執筆した論文「ミシェル・セールとエコロジー ーー『自然契約』における「自然」概念とLe Mal Propre における「汚れ」をめぐってーー」が同研究会が2024年に刊行する『連接』第2号に掲載が決定している。この論文の中では、2022年度刊行の論文『自然契約』における自然概念をグローバルなものとローカルなものにおける一と多の往還関係から分析するとともに、Le Mal Propreにおける「汚れ」の概念との関連性を論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要に記した通り研究代表者の健康上の理由により、予定していた渡欧調査などが叶わなかったためやや遅れている、とした。また2022年末に大規模なセールの手稿と研究ノートの刊行があり、この内容が本研究に大きく関わってくるため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年末にセールの手稿に関する大規模な資料の刊行があったことから、2024年度は渡欧しての調査よりもそれらの手稿の分析を優先する予定である。国内での手稿に関する研究報告は未だ一件にとどまっているため、初期セール研究の推進のためには、手稿及び研究ノート分析が喫緊の課題であると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は前述した研究代表者の健康上の理由により計画していた渡欧しての調査が叶わなかったため、次年度使用額が生じた。2024年度は、2022年度に刊行されたセールの手稿の分析が研究課題全体に大きく関係するものと考えられるため調査よりも手稿分析を優先し、次年度使用額は主に手稿分析のための参考文献及び分析ソフトに支出予定である。
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