本研究においては、フランス現象学とドイツユダヤ思想の架橋を試み「対話の哲学」の見直しを行った。研究期間中にはレヴィナス、デュフレンヌ、ローゼンツヴァイク、リクールその他に関する、現象学会、実存思想協会、日仏哲学会その他の諸研究会における口頭発表、論文発表及び複数の共著出版といった業績を挙げることができた。とりわけ著作『個と普遍』『レヴィナス読本』『戦うことに意味はあるのか』『見ることに言葉はいるのか』に執筆したレヴィナスとローゼンツヴァイクに関する諸論考は本研究の中心となる。これらを通じて、直接的な対面に限定されることのない対話を思考し、空間および時間の形式を再解釈することに寄与した。
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