研究課題
若手研究
本研究においては近代ドイツ哲学を代表すると言われる二人の哲学者、カントとヘーゲルの比較研究が、具体的にはヘーゲルによるカント倫理学の批判を分析することが試みられた。今日の倫理学においてとりわけカントの影響力は強く、基礎的な倫理学の研究から応用倫理学の現場等、様々な局面においてその考え方は使われている。本研究が明らかにしたのは、そのような影響力の強いカント倫理学におけるさまざまな問題をヘーゲルは指摘しており、その洞察は今日の倫理をめぐる議論においても未だ有効であることであった。
哲学
本研究においては日本語、英語の両言語による学会発表と論文発表が複数行われた。日本語においては日本の哲学研究の全国研究史である日本哲学会の期間刊行誌を含めいくつかの学会誌において、これまで十分には研究がされていなかったヘーゲルのカント倫理学批判をめぐる分析を発表することができた。国際的な研究としても、カント研究を代表する国際的な学会や学会誌において、世界的な研究状況を見てもまだ未開の領域であるヘーゲルのカント批判を発表することができた。