本研究は、現象学の伝統を代表する哲学者であるエトムント・フッサール、マルティン・ハイデガー、オイゲン・フィンクのカント解釈・批判を解明し、その成果に基づいて、それぞれの現象学者における超越論的哲学の理念を体系的に明らかにした。具体的には: (1)カント的なアプリオリおよび綜合概念へのフッサールの批判が彼の現象学的な超越論的哲学の理念の形成に対して持つ意味を明らかにした。(2)ハイデガーの「存在論的なカント解釈」と超越論的哲学としての基礎的存在論の理念形成の関係を解明した。(3)フィンクにおける「宇宙論的カント解釈」と彼の「世界の現象学」の展開の関連を解明した。
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