研究課題/領域番号 |
20K12832
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
太田 悠介 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70793074)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エティエンヌ・バリバール / ポストコロニアリズム / 政治主体 / 反人種主義 / インターセクショナリティ / 脱植民地化 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、仏領植民地の独立後、多様な出自を持つ住民層が混在するポストコロニアル時代を迎えたフランスにおいて、いかなる政治主体が形成されるのかを思想史の観点から考察することである。現代フランスの哲学者エティエンヌ・バリバールの著作および旧仏領植民地出身の移民を対象とする文献を主たる先行研究として考察を進めた。複合的なアイデンティティに特徴づけられる旧仏領植民に出自を持つ住民層と従来のフランスの民衆層との間にある争点と接点について、特に反人種主義とインターセクショナル・フェミニズムの視点を取り入れながら多角的に分析した。
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自由記述の分野 |
思想史・フランス思想
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
旧仏領植民地出身者とその子孫に焦点を当てる移民研究と哲学者エティエンヌ・バリバールの思想研究を架橋することによって、脱植民地期フランスに特有の複合的なアイデンティティを備えた政治主体論を考察した。旧仏領植民地出身の移民労働者に対する人種差別、移民第二世代の権利要求運動、公立学校におけるムスリムの女子生徒のスカーフの是非といったポストコロニアル時代から現代へと至るフランス特有の社会問題を思想史の観点から解明し、その成果を論文、図書、口頭発表を通じて公表した。
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