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2023 年度 実績報告書

アクシオン・フランセーズとキリスト教知識人―宗教思想を通じた政治思想の再解釈

研究課題

研究課題/領域番号 20K12837
研究機関静岡県立大学

研究代表者

西村 晶絵  静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (40843800)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードアクション・フランセーズ / キリスト教知識人 / フランス極右政治思想
研究実績の概要

本研究は、1894年のドレフュス事件以降、国粋主義的ナショナリズムを煽り、フランス社会で台頭した極右政治思想団体のアクシオン・フランセーズ(AF)とキリスト教知識人たちの関係性に注目し、その接近や反発、離反の具体的様相を明らかにしようとするものである。
本年度は、これまでの研究内容の総括として、AFの中心的存在であったシャルル・モーラスとアンリ・マシス、プロテスタントのアンドレ・ジッド、そしてカトリックの知識人のクローデルとマリタンに関し、各々のキリスト教思想の連関を整理しつつ、AFを軸として浮かび上がる彼ら知識人たち相互の関係性や、各々の政治的・宗教的立場の特異性を検討した。
その結果明らかになったのは、彼らの政治思想における宗教観の密接な結びつきである。従来の研究では、政治的立場の懸隔が彼ら相互の関係性として説明されるものと見なされてきた。しかしながら、1905年成立の政教分離法に見られるように、当時のフランス社会においては、政治をめぐる議論に際して、宗教が一つの重要な争点とされていた。こうした時代背景を踏まえ、知識人たちの政治思想の特徴を再検討するならば、そこには宗教(キリスト教)を巡る立場・思想が反映されていることが指摘できる。「カトリック」や「プロテスタント」といった宗派に還元され得ないキリスト教を巡る思索のうえに各知識人たち固有の政治的立場が成り立っていたことを明らかにした。
なお、本年度は、前年度まで新型コロナ・ウィルス感染症の影響で控えていた渡航が可能な状況になったため、上記研究の遂行のため、フランス国立図書館での資料収集を行った。それを本年度の研究成果として論文一本にまとめ公表した。また、研究期間全体を通じては、3本の論文と一編の著作を公にした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] ジッドにおける「神」と「キリスト」2023

    • 著者名/発表者名
      西村 晶絵
    • 雑誌名

      Stella

      巻: 42 ページ: 113~125

    • DOI

      10.15017/7162042

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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