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2020 年度 実施状況報告書

近現代のイレズミと自己同一性:身体と絵画の連環をめぐる芸術学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K12853
研究機関京都芸術大学

研究代表者

大貫 菜穂  京都芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (20817944)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードイレズミ / 身体表象 / メディア論 / 表象文化論 / 装飾論 / 絵画論 / 美学
研究実績の概要

本年度は研究成果の発表自体は達成されなかったが、20年度後半よりCOVID-19状況下においてフィールドワークに基づく調査研究が実施できない状況の中での最善を尽くすべく、研究方法の再検討を行った。
その結果、当初計画に含んでいなかった資料やデータを収集・調査を本計画に取り込むことにより、より横断的にイレズミと身体、そして主体の形成をめぐる研究に着手した。江戸末期より歌舞伎の演目となり、講談、小説、映画、そしてテレビドラマとして、100年近くの長きに渡り数多の作品のモチーフとなったイレズミとそれを背負う人物イメージを膨大な資料に基づき解釈することで、特に戦後日本におけるイレズミイメージの共有を解き明かそうとするものである。この新たな視点と知識の蓄積をもとに、20年度末より京都太秦映画村図書室における調査研究を開始することで本研究の新たな活路を開き、研究目的および成果をより充実した内容で達成させる基盤形成に至っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度はCOVID-19の影響で成果発表のための考察に足るフィールドワーク調査事例収集ができず、研究が遅延した。2020年度下半期以降も同様の状況が続いたため、当初の研究方法および方針を見直さざるを得ない状況にあった。したがって、当初の研究方法・方針のみでなく、2020年度末より当初は計画に含めなかったアプローチによる研究の遂行を並行して実施しているため。

今後の研究の推進方策

当初の計画に沿った調査及び理論の究明を目指しつつ、2020年度末から実施している異なるアプローチでも研究の達成を目指す。日本の近現代、とりわけ現代のイレズミは「やくざ映画」の影響を強く受けた社会的イメージの形成が指摘されており、現実の彫師や顧客、絵柄がその文脈で解釈されることも少なくはない。
上記に鑑みて、本研究ではメディア論的観点から戦前戦後の長期間にわたり多様なイレズミ像をより多くの人に提示した作品群のイメージ研究をも導入する。それにより、研究計画で解明すべき身体の絵画化/絵画の身体化を経た個人の主体形成および身体観形成のプロセスにおける、彫師と顧客によって共有されるイレズミ像の多様性を考慮に入れた裾野の広がりがもたらされる予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19により、出張を伴う調査研究および学会や国際カンファレンス発表、参加ができなかったために生じた。
今後出張調査が可能になった際になるべく多くの機会を設け積極的な調査をするとともに、設備や新規資料、そして研究成果の発信そのものに資金を使用し、当該研究のみでなく研究分野および関連する分野にとってより有益な成果の発信を行う。

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公開日: 2021-12-27  

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